便秘・下痢

抗コリン薬は便秘を高率に引き起こす

抗コリン薬は便秘を高率に引き起こす

 

こんにちは、べんぴ先生です。

 

今回は抗コリン薬と便秘の関係について解説します。

聞きなれない言葉かもしれませんが、お付き合いくださいね。

 

抗コリン薬ってどんな薬?

抗コリン薬

聞きなれない名前ですが、とっても大事な概念です。

難しい薬の名前が出てきますが、こんなものかと流していただいて結構です。

今ご自身で飲まれている薬があったり、これから飲む予定があれば参考にして頂けると幸いです。

ガンコちゃん

コリンねえ。コリン。コリン・・・眠くなってきました。

べんぴ先生

早い早い早い!!今からやで、コリンちゃん。じゃなかった、ガンコちゃん。

ガンコちゃん

呼び間違えないでくださいよ!

べんぴ先生

すまんすまん。

 

べんぴ先生

今回は抗コリン薬について勉強していこう。

 

ガンコちゃん

聞いたことない薬ですね。何ですかこの薬は?

 

べんぴ先生

うんうん。いきなり何やこれって思ったよな。無理もない。

 

便秘を引き起こす薬として一番目に紹介するのには意味がああります。

なぜならこの抗コリン薬ってのはかなりの確率で便秘を引き起こすのです。

そしてこの「抗コリン作用」を持つ薬はめちゃくちゃ多いのです。

 

抗コリン作用を持つ薬はそれこそた〜くさんあるんやで。

 

ガンコちゃん

なるほど。まず「コリン」って何なんですか?

 

べんぴ先生

「コリン」ってのはアセチルコリンのことや。医療関係の人でもない限り聞いたこともないっていう方が大半やと思う。抗コリン作用ってのはアセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを邪魔することや。

 

コリンっていうのはアセチルコリンのことやで。

 

べんぴ先生

もう少し簡単に説明してみよか。まずガンコちゃん。交感神経副交感神経って聞いたことあるか?

 

ガンコちゃん

一応ありますよ。交感神経は興奮、副交感神経はおっとりって感じですよね?

 

交感神経は戦闘モード、副交感神経はおやすみモードやで。どっちも自律神経やで。

べんぴ先生

まあそんな感じや。人間の自律神経には交感神経と副交感神経がある。アセチルコリンっていう物質は交感神経と副交感神経のどっちにも関わっているんやけど、抗コリン作用っていう時は副交感神経を指すと考えていい。

 

腸の動きは副交感神経が密接に関わっているんでしたね?

腸の動きにアセチルコリンは大いに関わっているわけです。

 

そのアセチルコリンをブロックしてしまうということは

抗コリン作用、抗コリン薬=腸の働きを抑えてしまう

と考えていいのです。

 

ガンコちゃん

コリンって可愛い名前やのにややこしいなあ。

 

べんぴ先生

まあここはある程度わかればええよ。次の2点だけ押さえてくれたらOKや。

抗コリン薬の特徴

・抗コリン作用は便秘を高率に引き起こしてしまうこと

・抗コリン作用を持つ薬はめちゃくちゃ多いこと

 

ガンコちゃん

わかりました。

抗コリン薬はどんな種類がある?

抗コリン薬

ブスコパン

チアトン

ブスコパンは聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

お腹が痛い時などに飲む薬です。

腹痛の痛み止めとしては僕も重宝しています。

 

ただ、便秘の方はあまり飲まない方が無難ですね。

 

ちなみにブスコパンをほいほい出す医者をたまに見かけますが、禁忌がかなり多いので注意です。

具体的には次の病気がある人は飲んではいけません。

ブスコパンが禁忌となる病気

・緑内障

・不整脈などの心臓の病気

・前立腺肥大症で尿が出にくい

 

ガンコちゃん

ブスコパンか。要チェックや、と。

 

他にも抗コリン作用を持つ薬をチェックしていきましょう。

べんぴ先生

じゃあ抗コリン作用を持つ薬を紹介していくわ。

まずは総合感冒薬であるPL配合顆粒を紹介しよ。これは結構飲んでる方が多いんちゃうかな。

PL配合顆粒にはプロメタジンメチレンジサリチル酸塩という物質が含まれていて、これが抗コリン作用を持っています。

風邪を引いて薬を飲んだら治ったけど1週間くらい便秘になりましたってのはよく経験するエピソードですね。

ピーエルも注意が必要やねんで。

 

ガンコちゃん

風邪薬でも便秘になっちゃうのか。なんか考えさせられるなあ。

べんぴ先生

風邪薬関連でいくと、咳止めは結構便秘を引き起こすことが多い。咳止めには麻薬性と非麻薬性があるんやけど、麻薬性ではコデインが含まれるものが代表的やな。

非麻薬性ではアスベリンメジコンなどがあります。

抗コリン作用とは違いますが、便秘を引き起こしますよ。

咳止め

・麻薬性➡︎コデイン

・非麻薬性➡︎アスベリン・メジコン

 

風邪は放っておいても治るから、余計な薬は飲まん方がええで。

ガンコちゃん

耳にタコができそうですわ。

 

べんぴ先生

大事なことやから何回も言うで。

 

べんぴ先生

他には第一世代の抗ヒスタミン薬にも抗コリン作用があるのが知られている。商品名でいうとレスタミンなんかやね。

第二世代の抗ヒスタミン薬には抗コリン作用は少ないと言われています。

抗ヒスタミン薬は蕁麻疹とか鼻炎、かゆみ止めなんかに使われる薬ですね。

ガンコちゃん

じゃあ抗ヒスタミン薬を使うときは第一世代を避ければええんですね?

べんぴ先生

そうや。便秘の副作用のある薬はなるべく避けるのが得策や。

レスタミンなどの第一世代は避けた方がええよ。かゆみ止めや鼻炎の薬は他にもいっぱいあるからね。

 

他に抗コリン作用を持つ薬には抗不安薬睡眠薬があります。

抗不安薬・睡眠薬

・デパス

・ホリゾン・セルシン

・コンスタン

・ワイパックス

 

ベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬には抗コリン作用を持つ薬が多い印象です。

 

ガンコちゃん

デパスって一時期話題になってませんでしたっけ?

 

べんぴ先生

そや。依存があるんや。最近までものすごーく安易に処方されていたんやけど、向精神薬に指定されたことから30日しか処方できなくなったんや。転倒してしまうリスクとか認知症の発症率が上がるっていうこともわかってきたしな。

 

デパスは本気で気をつけた方がええよ。睡眠薬は一度依存してしまうと、やっかいなことになるで。

 

 

あとは精神科の薬も抗コリン作用を持つものが多いですね。

これについては精神科の薬で説明していますが、フェノチアジン系三環系抗うつ薬と呼ばれるものが便秘を引き起こすことが多い印象です。

 

他にはてんかんの薬ですね。

てんかんの薬

リボトリール・ランドセン

テグレトール

 

 

抗コリン作用を持つ薬として他に知っておきたいのは、過活動膀胱の薬です。これについては以下の記事を参考にしてくださいね。

 

ガンコちゃん

いっぱい出てきて頭がパンクしそうですわ。

 

べんぴ先生

その感覚は正しい。便秘がどれだけ色んな事と関係があるか、それを知って欲しいんや。僕は「便秘を通して患者さんの全身を見る」これをモットーにしてるんや。

 

便秘診療は奥が深いんやで。底なし沼やで。

ガンコちゃん

なんかカッコいいですやん!

 

べんぴ先生

便秘を診療するには全身を見ないと無理なんや。めちゃくちゃ奥が深いんや。
今日は抗コリン作用について勉強できたね。

抗コリン薬のまとめ

覚えておいて欲しいのは「なるべく抗コリン作用を持つ薬は飲まない!」ということです。

 

便秘で苦しんでいるのに敢えて便秘の副作用を持つ薬を飲むのはナンセンスやですよね?

 

そしてもし今飲んでいる薬に抗コリン作用があって、どうしても続けたい場合は他の似たような薬で抗コリン作用のないものがないか考えるのが大事です。

今日もお疲れ様でした。

 

ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医