抗コリン薬は便秘を高率に引き起こす
こんにちは、べんぴ先生です。
今回は抗コリン薬と便秘の関係について解説します。
聞きなれない言葉かもしれませんが、お付き合いくださいね。
抗コリン薬ってどんな薬?
抗コリン薬
聞きなれない名前ですが、とっても大事な概念です。
難しい薬の名前が出てきますが、こんなものかと流していただいて結構です。
今ご自身で飲まれている薬があったり、これから飲む予定があれば参考にして頂けると幸いです。
便秘を引き起こす薬として一番目に紹介するのには意味がああります。
なぜならこの抗コリン薬ってのはかなりの確率で便秘を引き起こすのです。
そしてこの「抗コリン作用」を持つ薬はめちゃくちゃ多いのです。
抗コリン作用を持つ薬はそれこそた〜くさんあるんやで。
コリンっていうのはアセチルコリンのことやで。
交感神経は戦闘モード、副交感神経はおやすみモードやで。どっちも自律神経やで。
腸の動きは副交感神経が密接に関わっているんでしたね?
腸の動きにアセチルコリンは大いに関わっているわけです。
そのアセチルコリンをブロックしてしまうということは
抗コリン作用、抗コリン薬=腸の働きを抑えてしまう
と考えていいのです。
・抗コリン作用は便秘を高率に引き起こしてしまうこと
・抗コリン作用を持つ薬はめちゃくちゃ多いこと
抗コリン薬はどんな種類がある?
ブスコパン
チアトン
ブスコパンは聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
お腹が痛い時などに飲む薬です。
腹痛の痛み止めとしては僕も重宝しています。
ただ、便秘の方はあまり飲まない方が無難ですね。
ちなみにブスコパンをほいほい出す医者をたまに見かけますが、禁忌がかなり多いので注意です。
具体的には次の病気がある人は飲んではいけません。
・緑内障
・不整脈などの心臓の病気
・前立腺肥大症で尿が出にくい
他にも抗コリン作用を持つ薬をチェックしていきましょう。
まずは総合感冒薬であるPL配合顆粒を紹介しよ。これは結構飲んでる方が多いんちゃうかな。
PL配合顆粒にはプロメタジンメチレンジサリチル酸塩という物質が含まれていて、これが抗コリン作用を持っています。
風邪を引いて薬を飲んだら治ったけど1週間くらい便秘になりましたってのはよく経験するエピソードですね。
ピーエルも注意が必要やねんで。
非麻薬性ではアスベリン、メジコンなどがあります。
抗コリン作用とは違いますが、便秘を引き起こしますよ。
・麻薬性➡︎コデイン
・非麻薬性➡︎アスベリン・メジコン
風邪は放っておいても治るから、余計な薬は飲まん方がええで。
第二世代の抗ヒスタミン薬には抗コリン作用は少ないと言われています。
抗ヒスタミン薬は蕁麻疹とか鼻炎、かゆみ止めなんかに使われる薬ですね。
レスタミンなどの第一世代は避けた方がええよ。かゆみ止めや鼻炎の薬は他にもいっぱいあるからね。
他に抗コリン作用を持つ薬には抗不安薬や睡眠薬があります。
・デパス
・ホリゾン・セルシン
・コンスタン
・ワイパックス
ベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬には抗コリン作用を持つ薬が多い印象です。
デパスは本気で気をつけた方がええよ。睡眠薬は一度依存してしまうと、やっかいなことになるで。
あとは精神科の薬も抗コリン作用を持つものが多いですね。
これについては精神科の薬で説明していますが、フェノチアジン系や三環系抗うつ薬と呼ばれるものが便秘を引き起こすことが多い印象です。
他にはてんかんの薬ですね。
リボトリール・ランドセン
テグレトール
抗コリン作用を持つ薬として他に知っておきたいのは、過活動膀胱の薬です。これについては以下の記事を参考にしてくださいね。
便秘診療は奥が深いんやで。底なし沼やで。
今日は抗コリン作用について勉強できたね。
抗コリン薬のまとめ
覚えておいて欲しいのは「なるべく抗コリン作用を持つ薬は飲まない!」ということです。
便秘で苦しんでいるのに敢えて便秘の副作用を持つ薬を飲むのはナンセンスやですよね?
そしてもし今飲んでいる薬に抗コリン作用があって、どうしても続けたい場合は他の似たような薬で抗コリン作用のないものがないか考えるのが大事です。
今日もお疲れ様でした。