「便秘と言えばモビコール」の時代が到来?
こんにちは、べんぴ先生です。
今日はモビコールという薬について一緒に考えていきましょう。
お付き合いください。
先にこちらの動画を見てからブログを読んでいただくと理解が深まると思います。
ぜひご覧ください。
モビコールってどんな薬?
今まで便秘治療の第一選択薬は酸化マグネシウムという薬でした、という話は前回解説したと思います。
そして今でも便秘に使う薬は酸化マグネシウムと刺激性下剤(センナや大黄など)で80%〜90%と言われています。
今でも便秘に対してはアホみたいに酸化マグネシウムと刺激性下剤ばっかり使われてるで
刺激性下剤については以下の記事でまとめていますので、参考にしてくださいね。
そんな中でモビコールはとても期待できる薬です。
どんな薬か?
主成分はポリエチレングリコールというもので、浸透圧性下剤に分類されます。
この点は酸化マグネシウムと一緒ですね。

モビコールが水をたくさん引き寄せてくれるので、便の中の水分が増えるというわけです。
ただ、酸化マグネシウムと違う点は、薬の飲み合わせを気にする必要がない。それに腎臓が悪くても使えます。
皆さんは大腸カメラ検査を受けられたことありますか?
通常は検査前にまっずい下剤を2Lくらい飲みます。
僕の勤務している病院ではモビプレップ®という下剤を使っています。
以前勤務していた病院でも使っていたので、全国的にも使用率は高いと思います。
このモビプレップ。通称モビ。
モビコールとほとんど同じ成分です。
大腸カメラを受けるとき、腸が綺麗なピンクに見えますよね?便は一切ありません。
何となくモビコール効きそうな感じがしてきませんか?笑
さすがにモビコールとモビプレップに含まれるポリエチレングリコールの量は全然違うので、あそこまで綺麗にはならないと思います。
含まれている成分もちょっと違うので。
モビコールは酸化マグネシウムの改良版みたいなもんやで。
モビコールの副作用は?
しかも小児にも使えます。
ただし、2歳未満には使わないことになっています。(使用経験が少ないからです)
妊婦さんや授乳婦さんには使わないほうがいいでしょうね。
ただ、たまにアナフィラキシーショックになるようです。
アナフィラキシーショックは蜂に刺された時に息苦しくなって倒れるやつです。
・・・めっちゃ怖いやん
そう思われた方いらっしゃいますよね。
添付文書(お薬の説明書)では頻度不明のようです。ほんまにあるんかなあ?
僕はまだ経験していませんね。
おそらく相当低い確率かとは思います。
ちなみにどんな薬でもショックになる可能性はあります。
特に抗生剤(抗菌薬)とか多いです。
抗生剤って皆さん風邪の時に平気で飲みますけど、副作用とかちゃんと理解できてますか??
僕は風邪ひいても絶対飲みません。
4000人に1人くらい肺炎を予防できるそうですよ。残りの3999人は副作用のリスクにさらされるだけ、と。
そういえばドイツではNHKみたいなテレビで「風邪を引いたときに医者に抗生剤下さいってお願いしないように!」というCMがやってたそうですよ。
ドイツってすごいなあ。
脱線しました。すみません。
モビコールの不安要素
毎回、毎日のことなのでボディーブローのように効いてくるやろな。
・お金の問題。マグネシウムより値段が高い。
・毎回水に溶かせて飲む必要がある。
モビコールを飲むのはめんどくさいんやで。
酸化マグネシウムで満足した排便が得られている方は、そのまま継続で良いと思います。
試してみたい方は、発売されたら一度お試しを。
モビコールを含めた便秘新薬ラッシュ
それはそうと最近便秘薬がラッシュで発売されています。
治療の選択肢が増えることは僕たちにとっても患者さんにとっても、とても良いことです。
便秘治療の選択肢が増えることはええことやで。
ただ、今のところいまいち使い分けの基準がなく、どのお薬を選ぶのかは難しいところです。
このあたりはこれから僕たちが構築していく必要があります。
酸化マグネシウムはこのまま便秘治療の中心であり続けるでしょうし、
モビコール・ラグノスなどの浸透圧性下剤も便秘治療薬の中心に加わると思います。
実際アメリカでもそうですしね。(日本は便秘治療後進国です。)
モビコールはなんだかんだ便秘治療薬の中心になると思うで。飲むのはめんどくさいけれど。
日本で使われている便秘薬にはどんなものがあるか?
新薬も含めて以下の記事でまとめていますので、参考にしていただけると幸いです。
今日は以上です。
モビコールのことをより詳しく知りたい方はモビコールの添付文書を読んでくださいね。
今日もお疲れ様でした。