抗精神病薬や抗うつ薬が便秘を引き起こす
こんにちは。
今日は精神科で処方されるお薬と便秘との関係について勉強していきたいと思います。
お付き合いくださいね。
精神疾患のある人はなぜ便秘になりやすい?
睡眠薬や精神安定剤については以下の記事を参考にしてくださいね。
・薬をたくさん飲むから
・運動量が少ない
・昼夜逆転など生活リズムが悪い
・病気自体のストレス
精神疾患のある方はいろんな要因で便秘になるんやで。
精神科の薬について考えよう
抗精神病薬
・定型抗精神病薬
・非定型抗精神病薬
精神病薬には抗コリン作用のある薬が多いのです。
そして抗コリンや薬のところでも少しお話ししました通り、どれくらいの割合で抗コリン作用が含まれているかっていうのが大事なんですね。
つまり
飲んでいる薬に抗コリン作用が多ければ多いほど便秘になりやすい
ということです。
やっぱりコリンが大事なんやで。
クロルプロマジン
コントミン
ウインタミン
ノバミン
ノバミンは精神科以外でも吐き気止めで使うことがあるから、注意が必要やで。
一般名 | 主な商品名 | 抗コリン作用 |
ハロペリドール(定型) | セレネース | ➕ |
クロルプロマジン(定型) | ウインタミン コンタミン | ➕➕➕ |
リスペリドン(SDA) | リスパダール | 0 |
ペロスピロン(SDA) | ルーラン | ➕ |
ブロナンセリン(SDA) | ロナセン | 0 |
パリペリドン(SDA) | インヴェガ | 0 |
クロザピン(MARTA) | クロザリル | ➕➕ |
オランザピン(MARTA) | ジプレキサ | ➕ |
クエチアピン(MARTA) | セロクエル | 0 |
アリピプラゾール(DPA) | エビリファイ | 0 |
SDA:セロトニン・ドパミン遮断薬
MARTA:多元受容体作用抗精神病薬
DPA:トパミン部分作動薬
[Leucht S,et al:Am J Psychiatry,166:152-163,2009]
新しい薬ほど抗コリン作用が少ない傾向があるんやで。
抗うつ薬
一般名 | 主な商品名 | 抗コリン作用 |
フルボキサミン(SSRI) | デプロメール | ➕ |
パロキセチン(SSRI) | パキシル | ➕ |
セルトラリン(SSRI) | ジェイゾロフト | ➖ |
エスシタロプラム(SSRI) | レクサプロ | ➖ |
ミルナシプラン(SNRI) | トレドミン | ➖ |
デュロキセチン(SNRI) | サインバルタ | ➖ |
ミルタザピン(NaSSA) | リフレックス | ➖ |
トラゾドン(SARI) | デジレル、レスリン | ➖ |
ミアンセリン(四環系) | テトラミド | ➕ |
マプロチリン(四環系) | ルジオミール | ➕➕ |
アミトリプチリン(三環系) | トリプタノール | ➕➕➕ |
イミプラミン(三環系) | トフラニール | ➕➕ |
クロミプラミン(三環系) | アナフラニール | ➕➕➕ |
ノルトリプチリン(三環系) | ノリトレン | ➕ |
アモキサピン(三環系) | アモキサン | ➕➕➕ |
SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬
SNRI:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
NaSSA:ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬
SARI:セロトニン遮断再取り込み阻害薬
[World Federation of Societies of Biological Psychiatry:Treatment Guidelines and Consensus paper]
薬を変更するにしても可能な範囲でやらなあかんで。元の精神疾患が悪化したらあかんからね。先生と相談するんやで。
まとめ
いかがでしたか?
ここでもやはり
抗コリン作用がキーワードになっていることをご理解頂けたらOKです。
精神疾患のある方は本当に色んな要素が絡み合って便秘になることが多いのです。
それでも薬の副作用はなるべく減らしたいですよね?
あくまでもできる範囲で、主治医と話し合ってくださいね。
今日もお疲れ様でした。