まず前提となる知識について説明すると、麻薬はオピオイドと言われることが多い。そして強オピオイドと弱オピオイドに分けられることが多い。文字通り効果が強い、弱いっちゅうことや。

強オピオイドは癌を扱う科の先生以外はほとんど使わへんやろし、トラマドールは腰痛に対して整形外科の先生が使うことが多い印象やね。
コデインはガンコな咳に対して使うことがあるね。
これが頭の中だけにあったらええ話やねんけど、実は腸にも結構あるんや。

それによって腸の動きが弱くなったり、腸の分泌液が減ったり、水分を吸収しすぎてしまんや。すると、かなりの便秘になってしまうっていう理屈や。
それを言うと難しくなるけど、大局的にみると腸の動きを止めてしまうということやね。
それはさておきμ受容体にはμ1受容体とμ2受容体があるんや。消化管運動に主に関わっているのはμ2受容体と言われている。さっき説明した強オピオイドの中でモルヒネやオキシコドンはμ1、μ2受容体どっちも作用してしまうから強い便秘になるけど、フェンタニルはμ2受容体にはあんまり関与しないから比較的便秘になりにくいんやね。タベンダドールも便秘には比較的なりにくいんや。

でも注意点があって、胃腸に腫瘍があると穿孔したり、脳に転移してたり腫瘍があったりすると脳内に薬が入り込んで、麻薬の鎮痛効果が弱くなったりオピオイド離脱症候群になったりする可能性があるみたいや。
消化器内科医にとっては辛い話や。かなり使える状況が限られてしまうから、そこが難点やね。
でもこの薬の発想はすごく好きやけどね。うまいこと使いたいと思っているよ。
ナルデメジンも血液脳関門を突破できないような作りにしてくれてあるんやけど、脳腫瘍とか転移があるとその関門が崩れて脳内に薬が入って行ってしまう。
それで麻薬の効果が弱まったり、急に麻薬の効果がプスッと切れることで離脱症状が起きてしまうっていう話やね。