胃炎や胃潰瘍の治療薬として知られているけど、正直最近は新しい胃薬ができてきてあんまりお目にかかることはないな。
この薬の特徴は「アルミニウム」という物質を含んでいることやね。
実は胆汁酸は「下剤」の効果があるんや。つまりな、体の中で下剤の効果を果たしているということや。
最近はこの胆汁酸がすごく注目されてきて、胆汁酸関連の便秘薬も出てきているんやで。これについては胆汁酸トランスポーター阻害薬のところで説明するわ。ちなみに下痢型IBS(過敏性腸症候群)の何割かはこの胆汁酸が関係していると言われているんや。
これについては水上健先生の「IBSを治す本」を読んでに書いてあるから読んでください。
ここで言いたいのはスクラルファートに限らずアルミニウムを含んでいる薬は便秘を起こしうるということやね。
たまに「出血したっ!!」と言って病院にかかってくる患者さんもいらっしゃるからね。
陽イオン交換樹脂は腎不全の患者さんにしか使用しない薬や。
血中のカリウム濃度が高くなってくると不整脈が起こりやすくなって、緊急を要することが多いんや。そやから普段からカリウムを下げとかなあかん。
これらの薬が腸管内に溜まってくると腸の蠕動運動がうまくできないようになるんや。便秘を引き起こす他に腸に潰瘍を作って破れたり、イレウス(腸閉塞)になったりもするようや。
逆に頻回の下痢になった患者さんの経験はあるんや。
腎臓内科の先生からご相談があって、とりあえず大腸カメラをやりましょということになった。もともとは「アミロイドーシス」という病気を疑っていて、腸の粘膜は綺麗やったけど直腸(一番肛門に近い腸)から生検すると粘膜の下にいっぱい沈着物がついてたんや。
でもそれはいわゆる「アミロイド」ではなくてもしかしたら陽イオン交換樹脂じゃないかということで薬を一回やめてみたんや。そしたら下痢が治ったわ。あれは忘れられへんね。
もちろん胆汁酸を吸着してしまうことで便秘になるんや。具体的にはコレスチラミド(コレバイン®)などが有名やね。
この薬はさっき出てきた胆汁酸の関与したIBS(胆汁性下痢)で使う薬やで。効き目は抜群や!!
特にαグルコシダーゼ阻害薬と呼ばれるボグリボース(ベイスン®)、ミグリトール(セイブル®)なんかは排便異常を引き起こすことで有名や。添付文書(お薬の説明書)にはイレウス(腸閉塞)を引き起こすことがあるとは書いてあるね。
あとはGLP-1という物質も腸管の運動に関係している可能性がある。糖尿病と便秘の関係は奥深いものがあるから、また別の機会にまとめるとしよう。
とりあえずこれでざっと便秘を引き起こす薬について解説できたな。いかにいろんな薬が便秘に関与しているか実感してもらえたと思うけど、ガンコちゃんどうやった?