そしたらカルシウムイオンというのが細胞の中に入られへんようになるんや。そしたらうまく筋肉が収縮できなくなって血圧が下がるちゅう仕組みや。
平滑筋というのは内臓とか血管の運動に関わっている不随意筋や。つまり自分の意思とは関係なく働くってことや。それに対して足の筋肉とかは「骨格筋」というんやで。
平滑筋は、細胞の中にカルシウムたくさん貯められへんのや。そやからこのカルシウムが細胞の中に入ってこられへんようになると大ダメージを受ける。つまりうまく筋肉が収縮できんくなるということや。
つまり腸管がうまく動かなくなる。当たり前やけど便秘になるっちゅうことや。
もしも変更できるんであれば他の降圧薬に変更した方がいいやろな。
ただ、ヒドララジン塩酸塩(アプレゾリン®)という薬は麻痺性イレウスを引き起こすことがあるんや。麻痺性イレウスというのは腸が全然動かないことで腸閉塞みたいになってしまう病気や。
ヒドララジンはどういった仕組みで血圧を下げるのかというのはあんまりわかっていないみたいやね。普通はあんまり使われなくなっているけど、妊娠高血圧に対しては使われるんや。
僕は処方したことはないけど、産婦人科の先生は処方されるんじゃないやろか。
利尿薬は総じて体の中から水分を尿として出すから自ずと便の方は硬くなってしまうのは仕方がないことや。
フロセミド(ラシックス®)なんかは強い利尿効果があるし低カリウム血症にもなるし、注意が必要やね。
だいたい利尿薬は複数使われることが多い。例えばカリウム保持性利尿薬(血中のカリウムを低下させない)のスピロノラクトン(アルダクトン®)なんかと一緒に使ったりする。
要はうまいこと薬を併用したり調節して、電解質(ミネラル)バランスを崩さないように工夫するっちゅうことや!
心不全(心臓がうまく働かない)や肝硬変の患者さんは足を中心に浮腫(むくみ)がひどいことが多いんや。特に心不全の患者さんは利尿薬がないと心不全が悪化することが多いから、「利尿薬は便秘を引き起こすからやめましょうね。」とは言えないことがほとんどや。
ここら辺の「いい塩梅で」というのが内科の難しさでもあり面白さでもあるんやけどな。