新い便秘薬ラグノスってどんな薬?
皆さんこんにちは。
べんぴ先生です。
今回は新しい便秘治療薬であるラグノス®についてお話していきたいと思います。
お付き合いくださいね。
ラグノスってどんな薬?
ラグノス。正確にはラグノスゼリーです。
便秘新薬の一つとして考えられていますが、
実はラグノスと同じような薬はすでにたくさん使われています。
どういうことか。
便秘に対して適応が通っていなかったんです。単なる普通の人の便秘には使っちゃダメよといいうことですね。
産後や子供の便秘、肝臓が悪い人の脳症(ぼーっとする。)などにはすでに使われています。僕は仕事柄、肝臓が悪い人をよく見るのでバンバン出してます。
でも
今回晴れて慢性便秘症にも適応が通ったので、また便秘治療の選択肢が増えたのです。
やったー。
どんな薬か。
ラクツロースという糖がメインの成分です。
あの甘い糖分の糖です。
ラクツロースは合成された二糖類(糖が2個くっついたものです。)で、ヒトは自分で消化や吸収することはできません。
なので大腸までそのままの形で残っちゃいます。
そのままの形なのでおっきいです。浸透圧が高いです。(水をたくさん引きつけます。これは酸化マグネシウムとかモビコールと同じ原理ですね。)
酸化マグネシウムやモビコールについては以下の記事を参考にしてくださいね。

なのでラグノスは浸透圧下剤に分類されます。
ラグノスはモビコールや酸化マグネシウムに似てるんやで。
おしまいおしまい
ではありません!!
実はラグノスが便秘に効くとされている理由はもう一つあります。
それは腸内環境をよくする作用があるからです。
ラグノスは腸内環境を改善する
ラグノスは腸内環境を良くしてくれるんやで。
ここで腸内細菌という言葉を覚えなくてはいけません。
ラクツロースのことが大好きな細菌が大腸の中にいて、ラクツロースをエサにします。
具体的にはビフィズス菌や乳酸菌と呼ばれる菌です。
食べたら有機酸と呼ばれるものを生み出します。
そうすると善玉菌が住みやすくなって腸内環境がよくなって便秘も解消というわけです。

二重に効果があるのですね。
めでたしめでたし。
腸内細菌と2糖類、オリゴ糖との関係は切っても切り離せません。
これについては以下の記事でまとめてありますので、参考にしてくださいね。
ラグノスの副作用
あとは気をつけることについて少し説明します。
副作用には下痢やお腹の痛み、お腹がぐるぐる鳴るなどがあります。
・下痢
・お腹の張り
・お腹がぐるぐる鳴る
ただ副作用の調査をしていないので頻度は不明です。
全ての薬に共通して言えることですが、体に合う合わないはあります。
なので飲んでみてお腹の痛みや張りがきになる方はやめたほうがいいのかもしれませんね。
気をつけなければいけないのはガラクトース血症という特殊な病気の方は内服してはいけません。
ガラクトース血症という稀な病気の人は絶対飲んだらあかんで!
あとは糖尿病がある方は少しだけ注意が必要です。
ラグノスにはラクツロースの他にガラクトースや乳糖と呼ばれる糖も含まれているので、血糖が上がってしまうかもしれませんね。
糖尿病の治療薬にαグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ®、ベイスン®、セイブル®、ボグリボース®)やアカルボース(アカルボース®)という薬があるのですが、一緒に飲むと腹痛や下痢などの副作用が増強される可能性があります。
・αグルコシダーゼ阻害薬➡︎グルコバイ・ベイスン・セイブル・ボグリボース
・アカルボース
糖尿病の方だけちょこっと注意が必要ですが、使いやすい薬であることは間違いないですね。
糖尿病の人は注意して内服しないとあかんで!
ラグノスのまとめ
ラグノスは便を柔らかくするだけでなく、腸内環境も整えてくれる優しい薬やで。
ラグノスについてさらに詳しく知りたい方はラグノスの添付文書をご覧くださいね。
ここ最近便秘の新薬がたくさん発売されています。ただ、昔からある薬でも効果のある薬があることも事実です。便秘薬は新旧合わせて以下の記事で一覧にしておりますので、参考にしていただけると幸いです。
今日もお疲れ様でした。