胆汁酸は便秘と下痢に深い関係があるんやで
こんにちは。べんぴ先生です。
今日は胆汁酸について考えていきたいと思います。
今までに何度か胆汁酸が便秘や下痢に深く関係しているということは説明させていただいているかと思いますが、今日は胆汁酸についてしっかりと説明してみたいと思います。
お付き合いくださいね。
胆汁酸と胆汁は違う?
胆汁酸とは一体何者なのか?についてまずは考えていきますね。
ちなみに胆汁と胆汁酸は一応違う言葉なので区別しますね。
胆汁と胆汁酸は似てるけど若干違うんやで。
実は胆汁の97%は水です。
ほとんど水なんですよ。
後の3%を胆汁酸、ビリルビン(色素)、コレステロールが占めているという感じです。
97%は水
後の3%は
・胆汁酸
・ビリルビン(色素)
・コレステロール
の3つが占める。
なので胆汁=胆汁酸ではないというわけです。
とは言っても僕も胆汁酸のことを胆汁って言っちゃったりすることがあるから許してな。
胆汁酸ってどんな働きをするの?
では、胆汁酸が体の中でどんな働きをしているのか?について説明します。

ざっとこんな感じです。
コレステロールは別としてすごく密接に腸と関わっていることはご理解いただけると思います。
胆汁酸は体の中を巡回している
それでは胆汁酸はどこで作られてどんなふうに体の中で働いているのかついて説明しますね。

まず胆汁酸は肝臓で作られます。
そして胆のうという場所で蓄えられます。
食事が十二指腸というところを通るたびにピュッと胆汁として出されます。(これはとても上手い仕組みです。コレシストキニンと呼ばれるホルモンが関わっています。)
胆汁酸自体に消化酵素はないのですが、脂肪の吸収をよくします。
脂肪の吸収を手伝ってくれるんやで。
しっかり働いた後に、小腸の最後のところ(回腸末端と言います)でほとんど吸収されて肝臓にまた戻っていくのです。
そしてまた肝臓から分泌されて胆のうで蓄えられて・・・
くるくるくるくる体の中を回っているんです。

胆汁酸は市バスのように体の中をぐるぐる巡回してるんやで。
そして
この回路のどこかにダメージがあると上手くいかなくなるんです。
例えば食事を通るタイミングで胆汁酸がピュッと出せないとか
そもそも胆汁酸が出せないとか
もっとそもそも胆汁酸がないとか
胆汁酸が小腸で吸収できないとか
またこれについては後で詳しく説明しますね。
胆汁酸は便秘に対してどのように作用している?
それでは一番大事なところ
便秘に対して胆汁酸がどのように作用しているのか
について説明します。
胆汁酸は回腸末端(小腸の最後のところ)で吸収されると言いましたが、ここで95%が回収されます。

その残り5%の胆汁酸が何をしてくれるのか?
その前に腸内細菌について説明しないといけません。
胆汁酸を知るには腸内細菌について知る必要があるんやで。
大腸には腸内細菌というものがうじゃうじゃいます。
重さにすると1キロ〜2キロほどあるのでもはや一つの臓器ですね。
胆汁酸は水溶性の食物繊維と呼ばれるものに絡まって大腸に入り込むのですが、
腸内細菌はこれを分解して胆汁酸を自由にしてくれます。
胆汁酸は自由になって初めて本来の力を発揮するのです。
水溶性の食物繊維が胆汁酸を大腸まで連れて行ってくれるんやで。
大腸に流れ込んだ胆汁酸はどんな働きをするか?
まず、胆汁酸は大腸に蠕動を起こさせます。
ちなみにムチでパンパンしているだけでは馬だって走りませんよね。
エサがないとダメですよねえ。
そのエサというのも腸内細菌が作り出します。
腸内細菌が食物繊維を食べると有機酸と呼ばれるエサを作り出してくれるんです。
胆汁酸と食物繊維、腸内細菌が良いバランスで助け合っているんですね。
この3つのどれが欠けてもダメなんやで。
さらに
胆汁酸は大腸に粘液の分泌をするように働きかけます。
粘液ってぬるっとしてますよね。
便をぬるっとさせてくれるのでスムーズに出て行きそうでしょ?
この感じって伝わりますか?
ちなみに胆汁酸が少しでも多く大腸まで流れてくれるようにっていうコンセプトで作ったのがグーフィスという薬でしたね。
グーフィスは回腸末端での胆汁酸の吸収を抑える薬なんですね。
グーフィスについては以下の記事でまとめていますので、参考にしてくださいね。
こんな感じで胆汁酸というのは便にものすごく関係しています。
胆汁酸はとっても大事というのがわかってくれたらええで。