便秘・下痢

便秘の原因をしっかり調べるにはデフィコグラフィーが必要だ

 

デフィコグラフィーって何やねん?

 

今日はデフィコグラフィーについて解説したいと思います。

 

デフィコグラフィーは排便造影検査のことで、略してデフィコと呼んだりします。

 

聞きなれない検査であるとは思いますが、便秘の原因をしるためにはすご〜く大事な検査です。

 

どんな人に行う検査かというと

排便困難型の便秘の人を対象に行うことが多いです。

 

「息んでも便がでない」

「排便後も便が残っている感じがするので何度もトイレにいく」

「お尻に指を入れて掻き出すことがある」

「膣に指を入れて息むとでる」

「会陰部(膣と肛門の間)を指で押すと出やすくなる」

 

などなど

こんな症状を訴えられる方が対象になります。

 

 

どんな検査か?

まず検査前にお尻から擬似便と呼ばれる、バリウムとおからや小麦粉を混ぜたものを入れます。

 

その後簡易トイレで排便をしてもらいます。

 

擬似便が出る様子をレントゲンでぱしゃぱしゃと写真をとったり、動画を撮ったりするわけです。

 

もちろんレントゲン写真なので白黒ですし、骨と擬似便くらいしか写りませんのでご安心を。

 

当然どの病院でも羞恥心には十分配慮しているので、カーテンで完全に仕切ってあるなど、いろんな工夫をしています。

 

具体的には大きく分けて3パターン写真をとります。

 

 

写真の撮り方

1安静にしている時

2お尻の穴を引き締めた時

3息んだ時

 

今からこの検査でわかる病気について説明していきますが、

その前にこの絵を理解して頂く必要があります。

 

デフィコグラフィーで得られる画像のデフォルトと思ってください。

あ、でも本当は白黒です。

 

わかりやすく腸に色を塗っちゃいました。

 

背骨と恥骨と直腸肛門の位置関係が大事なのです。

 

頭に入りましたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

何もしていないときに便が漏れたら困るので、黄色の点線で囲んだところがきゅっとなっているのがわかりますでしょうか?

なぜ自然にきゅっとなっているかというと

筋肉がずっと引いてくれている

のです。

この筋肉の名前を恥骨直腸筋といいます。

 

息んだ時にきゅっとなっていたら便が出にくいのでこの筋肉がゆるんで、角度がゆるくなり便がでやすくなるのです。

あと息んだときに肛門管もすっと下に降りるので、この絵のような感じになります。

 

よろしいですか?

これが正常な像です。

 

それではいろんな病気について説明していきますね!

わからなくなったらこの絵と見比べてください。

 

1直腸瘤

これは息んだときの絵です。

正常と比べてどこが違うかわかりますか?

 

黄色の点線で結んだところは正常の絵では存在しないですよね?

これが直腸瘤です。

直腸瘤についてはすでに解説ずみなので

直腸瘤ってどんな病気?

を参考にしてくださいね。

 

ちなみにこの膨らんだスペースに小腸やS状結腸が入り込んでしまうこともあります。

 

この場合は普通のデフィコグラフィーだけでは診断が難しいので、口からバリウムを飲んだりする必要があります。

 

 

 

あまり細かく解説していると終わらないので

じゃんじゃか紹介していきます。

 

2直腸粘膜脱

 

これも息んだときの絵です。

この病気は直腸を支えてくれている組織(支持組織といいます)が弱ってしまうことで、

直腸を覆っている粘膜がたるんでしまい、粘膜だけがずるっとすべってしまうという病気です。

 

高齢の方に多い病気です。

ひどくなると粘膜がずるずるとすべってしまい、排便の際に肛門をふせいでしまいます。息めば息むほど便がでにくくなるというやっかりな病気です。

 

 

3直腸重積

 

直腸重積は直腸粘膜脱がすすんだものと考えられています。

さきほどの直腸粘膜脱は前側だけ粘膜が滑ったものですが直腸重積はもう少しすすんで全周性に粘膜が滑ったものが含まれます。

息みすぎることが原因になります。

 

そして息めば息むほど便はでにくくなります。

 

直腸重積を放置して、息む習慣を続けると次に説明する直腸脱という病気になることがあります。

 

 

4直腸脱

息んだら直腸まるごと飛び出します。

 

これはショッキングですねえ。

 

ここまでいってしまうと治療しないとどんどん腸が体の外にでてくるので早めに手術しましょう。

 

5奇異性排便時収縮

 

英語ではdyssynergic defecationと言います。

 

息んだら恥骨直腸筋がゆるんで肛門管が降りないといけないんでしたね。

それが息んでも筋肉が緩まない、いやむしろもっと締まってしまうこともあります。

あと肛門括約筋と呼ばれるお尻の穴を締める筋肉もアマノジャクな感じになることがあります。

 

6会陰下垂症候群

 

ちなみに会陰というのは膣の出口(外陰部といいます)とお尻の出口(肛門)の間のことです。

 

この病気の人はこの会陰部を手で押さえないと排便できないとおっしゃることが多いです。

 

 

 

 

 

息んだ時にズドーンと直腸が落ち込んでしまいます。

 

ちなみに直腸以外にも子宮や膀胱も落ち込んでしまうことが多いです。

 

その結果、陰部神経と呼ばれる大事な神経が下に引っ張られることで弱ってしまい、さらに筋肉が弱くなって落ち込んでしまいます。

 

悪いサイクルに入ってしまうんですねえ。

 

 

デフィコグラフィー

大事な検査ですが、できる病院が限られています。

これが難点です。

別に手技としては全然難しくないんやけどなあ・・・

 

まとめ

・デフィコでわかる病気はたくさんある。

・便秘の原因を知るには大事な検査。

・でもできる施設は限られている。

 

 

ここで紹介した全ての病気に共通して言えることは

あまり息まないこと。

 

言葉で言うのは簡単ですが難しいことですよねえ。

 

そしてこれらの病気に共通しているのは、

まずは内科的に治療することが多いということ。ダメなら手術など行います。

 

便をある程度柔らかくしてしっかりと量を保つしかないってことですね。

 

以上です。

ではでは〜

ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医