便秘・下痢

栓が詰まって便秘になったらどうすればいい?

 

こんばんは。

 

今日はお尻にどうしようもなく大きな硬い便が詰まってしまい、栓のようになってしまった場合の対処法について簡単に説明したいと思います。

ガンコちゃん

詰まっちゃう事ってよくあるんですか?

 

べんぴ先生

意外と多いんや。僕ら消化器内科医にとっては日常茶飯事と言ってもいいやろなあ。

栓が詰まって便秘になったらどうすればいい?

 

便秘をこじらせて何日も便が出ない結果、栓のようになってしまう

こんな経験をしたことがないでしょうか?

 

これを糞栓(ふんせん)と僕らは呼んだりします。

 

どうしたらいいかわからなくなって、病院に受診される方は意外と多いです。

 

消化器内科外来では結構な頻度でありますし、夜間の救急外来当直をやっていても割と見かけるくらいです。

 

 

ガンコちゃん

便秘もこじらせると怖いですねえ。

 

べんぴ先生

本来はこうなる前に何とか手を打ちたいんやけどなあ。

 

 

 

今日は2つの項目に分けてお話しをしたいと思います。

 

糞栓にどう対応するか?

・糞栓をどうやって取り除くか?

・再発を予防するためにどうすればいいか?

 

硬い栓(糞栓)はどうやって取り除くか?

 

糞栓が詰まった患者さんのお話しを聞いていると、

「どうしようもないくらい気持ち悪い」

とか

「頼むから取り出してくれ」

とか

 

切実ですね。

 

 

でも一度取り出すととってもいい笑顔を見せてくれるのでこっちもとても嬉しくなります。

取り出してくれるのは看護師さんですが・・・

 

いや、医療はチームワークが大事!!

 

 

 

取り出し方には大きく分けて2つあります。

 

糞栓の取り出し方

1、浣腸・座薬

2、摘便

 

まず大前提として

ほとんどの場合、内服の下剤では糞栓は取り除けません!!

 

これは大事。

 

エビデンス(科学的根拠)に関してはちょっとなんとも言えないのですが、

僕は内服のお薬で糞栓を治せたことはありません。

 

 

一度硬い糞栓ができてしまったら、ちょっとやそっとではビクともしないのです。

 

なので、まずは浣腸もしくは座薬を使用します。

 

これはご自宅で行ってみてもいいかもしれませんね。

 

薬局にも売っていると思いますので。

 

浣腸はグリセリン浣腸などですね。

 

 

浣腸や座薬をする場合のポイントとしては

浣腸や座薬をしたら、ある程度時間をあけてから排便する必要がある

です。

 

たまに浣腸や座薬をしてからすぐに排便してしまう方がいらっしゃいますが、それでは効果が出ないのです。

 

 

自信がない方は病院にかかって頂いてOKです。

 

 

浣腸・座薬なんかじゃビクともせーへんわ!

って場合の次の策は摘便です。

 

手袋をして肛門に指を入れて便を掻き出すという方法です。

 

 

これは病院にかかってもらった方がいいかもしれませんね。

というのもやり方によっては直腸に傷ができてしまう恐れがあるのです。

 

 

といってもたまにご自身で摘便されている強者の患者さんもいらっしゃいます。

 

 

ただ、摘便を繰り返している方は注意が必要です。

 

摘便を繰り返していると肛門括約筋と呼ばれる肛門の筋肉が傷ついてしまい、そのうちに便失禁を引き起こしてしまう可能性があるのです。

 

 

便失禁とは便を漏らしてしまうということですね。

 

便を漏らしてしまうというのは、ご自身にとっては非常にショッキングな事なので、なるべくそんな事態には陥らないようにしたいものです。

 

 

実は肛門ってとって繊細でものすごい役割を果たしてくれているんですよ。

 

これって意外と知られていないんですけど、考えてみればわかります。

 

 

 

おならをするときに、

あっ、このままぶひっとすると便が出ちゃうなとか

この感じならいいおならがぶひっと出せそうやとか

今ぶひっと出すと下痢が飛び出ちゃうなとか

 

わかっちゃうんです。

 

つまり肛門は気体・液体・個体を認識できるんです。

ただの穴じゃないんですよ。

 

 

ガンコちゃん

肛門恐るべし

 

べんぴ先生

ちなみに便失禁には特殊な治療が必要なんや。それについては別の機会に説明さしてくださいな。

 

 

 

 

ということで、摘便はできる限り避けた方がいいように思えます。

 

それでも糞栓が浣腸や座薬で取れない場合はどうしようもないので、摘便が必要になってしまいます。

 

摘便は必要最低限行う

 

この認識で良いと思います。

 

 

再発を予防するためにどうすればいいか?

 

浣腸や摘便でなんとか糞栓を取り除く事ができました。

めでたしめでたし。

 

これじゃあかんですね。

 

病気でも経営でもなんでもそうです。

 

再発予防というのが大事なんですね。

 

ちなみに摘便を行う患者さんは、繰り返す事が多いです。

 

つまり摘便をして欲しいという患者さんは何度も同じ症状で来院される、という事です。

 

 

 

 

ごめんなさい、データはありません。でも、これは医療従事者は肌で感じていると思います。

 

 

じゃあどうすれば良いか?

 

 

これは

便秘の原因を突き止めて治療をする

としか言えません。

 

便秘の原因は多岐に渡るので、一言で解決方法をお伝えするという事はできないのです。

以下のブログを参照していただけると幸いです。

 

 

個人的な意見としては排便困難型の患者さんに糞栓ができやすい印象です。

そんな場合はデフィコグラフィーという検査が多いです。

 

ガンコちゃん

一言で説明しなさいよ。

 

べんぴ先生

すまんが、そんなに便秘は単純なものちゃうんよ。

 

まとめ

・糞栓に一度なってしまったら浣腸や摘便を行わざるをえない。

・摘便は肛門を傷つけ、便失禁につながる可能性がある。そのため摘便は必要最低限行うのが良い。

・糞栓は再発予防が必須。

・糞栓ができる原因は一言では言えない。

・糞栓を予防するためには毎日の便秘に対する治療の継続が必要

 

 

以上です。

一度糞栓になってしまったら、悩まず病院に受診してくださいね。

ではでは〜

 

ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医