便秘・下痢

便秘解消になぜオリゴ糖がいいのか?

便秘解消になぜオリゴ糖がいいのか?

 

こんにちは。

 

今日はオリゴ糖についてお話したいと思います。

 

お付き合いください。

そもそもオリゴ糖って何?

 

べんぴ先生

オリゴ糖って何かわかるか?ガンコちゃん。

 

ガンコちゃん

糖っていうからには、あの甘い糖の一種とちゃうんですか?

 

べんぴ先生

そうや。糖の一種や。でも実は明確なオリゴ糖の定義は決まってないんよ。

 

ガンコちゃん

えっ!!!

 

そうなんです。

オリゴ糖の明確な定義は実は決まっていないんですよ。

僕も知らなかったんですが、だいたい糖が2〜10個くらいつながったものをオリゴ糖と呼ぶようです。

 

 

この1つ1つの糖を単糖と言います。

 

単糖にはグルコース(ブドウ糖)とか、フルクトースとかがあります。

これ以上分解できない糖という意味ですね。

 

オリゴというのは「少し」という意味のようですよ。

 

 

 

ちなみに皆さんもむかし理科の教科書で習ったデンプン。

 

デンプンは糖が200〜3000個くらいつながったものです。

 

あと便秘解消に良いとされている食物繊維は、どれくらい糖がつながったものなんでしょうか?

 

ガンコちゃん

1億個くらいちゃいますかあ〜

 

べんぴ先生

それは多すぎるな。食物繊維は3000〜50万個の糖がつながったものと言われてるで。

 

多いですねえ。

 

ちなみにデンプンはアミラーゼで分解できるので吸収されます。

 

 

オリゴ糖はというと

 

実は人間の体内にはオリゴ糖を分解する消化酵素がないんです。

 

これはポイントです。

 

オリゴ糖とは?

単糖が複数個つながった、体内で分解できない糖

 

オリゴ糖にはどんな種類がある?

 

オリゴ糖は何種類くらいあるかご存知ですか?

 

これまた僕は知らなかったんですが、オリゴ糖には1000種類くらいあるとの報告があります。

 

ヒョエ〜

 

多すぎですね。

 

もちろんこの中には便秘とは全く関係のないオリゴ糖も入ってるんですけどね。

 

その中でも有名なオリゴ糖をご紹介します。

 

オリゴ糖の種類

・フラクトオリゴ糖

・イソマルトオリゴ糖

・ガラクトオリゴ糖

・大豆オリゴ糖

・乳果オリゴ糖

 

これだけでも覚えられないですよね。

 

覚える必要は・・・ないです。たぶん。

 

このオリゴ糖の効果が飛び抜けている

っていう報告はなさそうです。

 

便秘に効きます!と謳っているサプリメントや市販の薬には、便秘に効くオリゴ糖が入っているんじゃないでしょうか?

 

オリゴ糖はどのようにして効果を発揮するのか?

 

これが一番大事ですよねえ。

簡単に説明しますね。

 

大きく分けると2つの機序があると言われています。

①浸透圧で水分を引き込む。

 

先ほど、オリゴ糖は体内で吸収されないと言いましたよね?

そうなんです。

オリゴ糖は小腸でほとんど吸収されないので、ほとんどそのまんまの姿で小腸を吸収していくのです。

 

そうすると浸透圧というものが働いて、オリゴ糖が水分を引きつけてくれるんですね。

 

なので便の中の水分量が増えてくれる

というわけです。

 

浸透圧で水分を引き込む

どこかで聞いたことないですか?

 

そうです。酸化マグネシウムやラグノスの所でも説明しましたね。

気になる方は参考にしてみてくださいね。

 

というかラグノスはオリゴ糖の一種なんですね。

なのでどのように作用するかもほとんど一緒です。

 

②善玉菌の餌になる

 

オリゴ糖は小腸で分解されずに、ほとんどそのままの形で大腸に流れ込みます。

 

すると待ち構えていた腸内細菌、特に善玉菌と呼ばれる乳酸菌やビフィズス菌がオリゴ糖を餌にするのです。

そうすると上の絵のように有機酸と呼ばれる物質を生み出すのです。

この有機酸がちょ〜大事。

 

有機酸には乳酸(にゅうさん)、酪酸(らくさん)、酢酸(さくさん)などがあります。

 

これらの有機酸がどんなふうに便秘解消に役立つのでしょうか?

 

便秘解消のカギ「有機酸」

・大腸に働きかけて動きをよくしてくれる。

・酸に弱い悪玉菌が育ちにくくなる。

 

大腸の動きをよくしてくれるんですよ。

良いやつですね。

良いんですよ。

 

あとは

有機酸の仲間はみんな「酸」がついていることに気がつきましたか?

 

有機酸が増えると腸内環境が酸性に変わっていくんですよ。

 

乳酸菌やビフィズス菌は酸性の環境を好むのですが、

悪玉菌と呼ばれる菌は酸性の環境では生きていけない菌種が多いと言われています。

 

つまり

乳酸菌やビフィズス菌が自分たちの住みやすい環境に変えている

ということです。

 

なんか良さそうでしょ?

 

ちなみに酢酸(さくさん)っていうのが有機酸の中に入っていたと思うのですが、

酢酸ってすごく酸性度が強いんですよね。

あの調味料の「す」にも含まれています。

「す」って酸っぱいじゃないですか?

 

あれがグーンと腸内環境を酸性にしてくれるんですよね。もっとも殺菌力が強いと言われています。

 

ビフィズス菌は酢酸を生み出します。

 

なのでビフィズス菌は腸に優しいと言われているんです。

プロバイオティクスとプレバイオティクスの違い、わかりますか?

ところで

巷で流行っているプロバイオティクス

 

定義わかりますか?

 

 

2001年の国連食料農業機関(FAO)/ 世界保健機関(WHO)合同専門家会議の報告書から引用しますね。

 

プロバイオティクス:適正な量を摂取したときに宿主に有用な作用を示す生菌

 

宿主というのは人間ですね。

 

生菌

つまり生きている菌なんですよ。

死んでる菌ならプロバイオティクスとは言わないんですね。

 

ここに実はハードルがあるんですけどね。

 

逆にプレバイオティクスとは何でしょうか?

 

プレバイオティクス:大腸の有用菌の増殖を選択的に促進し、宿主の健康を増進する難消化性食品

 

つまり善玉菌のエサです。

 

これがオリゴ糖や食物繊維です

 

オリゴ糖はプレバイオティクスなんです。

プロバイオティクスじゃないですよ。

 

エサをあげることで、乳酸菌やビフィズス菌が活性化する。

➡︎大腸が動き出し、腸内環境もよくなる。

➡︎便秘改善につながる。

 

つまり

オリゴ糖は間接的に便秘を改善させる

ということです。

 

プロバイオティクスは菌そのものを摂取する

プレバオティクスは菌にエサをあげる

 

このイメージです。

 

 

べんぴ先生

理解できたかい?ガンコちゃん。

 

ガンコちゃん

菌そのものかエサなのかってことですね。それにしてもややこしいネーミングですねえ。何とかならんもんですか?

 

 

ちなみにシンバイオティクスという言葉もあります。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取するという意味です。

エサと菌を一緒に摂取するということですね〜

 

シンバイオティクスの臨床研究は2000年以降の高度侵襲外科手術の分野から始まった

と言われています。

 

つまり大きな外科手術の前に患者さんに内服してもらう

という研究です。

 

何でそんなことをしたかというと

合併症である感染症のリスクを下げるためです。

 

実際に感染症の発生率が下がったという報告があります。

 

つまり

プロバイオティクスとプレバイオティクスの効果は便秘改善だけの話ではない

ということです。

 

全身に効果があると言っても過言ではないのです。

 

すごいでしょ?

どんな人にオリゴ糖が効きやすいのか?

 

これは考えないといけない問題ですよねえ。

 

僕の意見としては

便秘の人はみんな試してみていいんじゃないかな

と思います。

 

ただ、お腹の張りやすい人は注意が必要です。

 

というのもいくら善玉菌とは言え、腸内細菌は腸内細菌です。

そもそも菌の数が多くてお腹が張りやすい人がオリゴ糖を摂取すると

さらにお腹の張りが悪化してしまう可能性があるのです。

 

特にSIBO(シーボ)が疑われる患者さんは注意です。

SIBOの患者さんの場合は、まず抗菌薬などで菌の絶対数を減らしてから摂取することをお勧めします。

 

SIBOについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてくださいね。

 

 

あと、腸があまり動いていない気がする

という患者さんは、腸をしっかりと動かす薬と一緒に摂取するのも良いかもしれませんね。

 

そもそも大腸に到達しないと効果がうまく発揮されないので、しっかりと大腸まで流してあげるイメージです。

 

大建中湯やガスモチン、セレキノンなどが良いのではないでしょうか?

 

 

 

オリゴ糖のその他の利点

 

先ほども述べましたが、オリゴ糖は便秘解消のためだけでなく、全身に良い効果を示してくれる可能性があります。

炎症を抑えたり

神経系に作用したり

 

おそらくこれからもいろんな作用が解明されてくるものと思います。

 

簡単にオリゴ糖のその他のメリットについて書いてみたいと思います。

 

オリゴ糖のその他のメリット

・低カロリー

・血糖値が上がりにくい

・虫歯になりにくい

 

まず砂糖などに比べてカロリーが高くないんですよね。

 

血糖値も上がりにくいので糖尿病の患者さんにもやさしいですが、取りすぎには注意が必要です。

 

虫歯になりにくい。

これも大事なことですよね。

 

虫歯の原因にはミュータンス菌と呼ばれる菌が知られています。

このミュータンス菌はオリゴ糖を利用できないみたいなんですよ。

 

これもオリゴ糖をとるメリットの一つになりますよね。

 

どうやってオリゴ糖をとる?

 

野菜などにもオリゴ糖はよく含まれます。

ただ、量としては正直少なめです。

 

 オリゴ糖含有量
ラグノス1日19.5〜39グラム
オリゴワン(サプリメント)1日6.5g
玉ねぎ

1個0.6g

 

玉ねぎはフラクトオリゴ糖が含まれていて、オリゴ糖が多めの食品ではあります。

それでも一個まるまる食べてもサプリメントなどに比べたらものすごく少ないですね。

 

もちろん食事で頑張ってオリゴ糖をとるのも良いことですが、

効果が乏しいのであれば、サプリメントなどでチャチャっと摂取してしまってもいいのかもしれませんね。

まとめ

 

オリゴ糖がどれだけ便秘に密接に関係しているか、

についてご理解いただけたかと思います。

 

オリゴ糖の人体への影響は、便秘だけにはとどまりませんよ。

今まで培養することでしか菌を確認できなかったのに、今は研究が進んできて、今まで知られていなかった腸内細菌の真実が明らかにされてきています。

 

プロバイオティクス、プレバイオティクスの重要性がもっともっと明るみに出てくる、

と僕は期待しています。

 

以上です。

ではでは〜

ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医