便秘・下痢

便秘で悩んだら何科に受診すればいい??

 

便秘や下痢に悩んだら何科にかかるべきか

さて今日は、便秘や下痢に悩んだら何科にかかればいいのか、についてお話したいと思います。

以前にもこのようなタイトルで記事を書いたことがあるのですが、あとで読み直してみるとわかりにくかったので、もう一度わかりやすく書いてみたいと思います。

 

まず大前提として便秘や下痢で悩んだ時にかかるべき診療科は消化器内科になります。

近くのクリニックや病院の消化器内科に受診すれば良いでしょう。

それで満足する結果が得られればOKです。

 

しかし、満足する結果が得られる患者さんは半数にも満たないと思われます。

そんな時どうすれば良いか?

 

 

専門外来を探しましょう。

 

日本では便秘や下痢などの排便の異常に対応している専門外来は、便秘外来排便機能外来になります。

便秘外来は主に内科医が、排便機能外来は外科医が行っているのが現状です。

日本の現状

便秘外来→内科医が行う

排便機能外来→外科医が行う

便秘外来と排便機能外来では対応する病気が違いますので、どちらにかかるかは前もって下調べをしてから受診するのが良いと思います。

とは言っても一般の方がそれを判断するのは難しいと思いますので、今から簡単に説明してみたいと思います。

 

 

まず、排便の異常という場合には主に以下の4つの症状があるのかなと思います。

排便の異常

便秘

下痢

腹部膨満感(お腹の張り)

便失禁(便を漏らす)

症状によってどちらの外来にかかるかがほぼ決まりますので、分けて考えていきましょう。

便秘

便秘の原因は本当に多岐に渡りますが、ざっくり言うと2つの原因があります。

便秘の原因

①お腹の問題

②お尻付近の問題

本当にざっくりです。

このどちらに問題があるか(どちらもという場合もあります)によって受診する科が変わってきます。

①のお腹の問題の場合は便秘外来や消化器内科の外来が良くて、②のお尻付近の問題の場合は排便機能外来や外科の外来が良いと思います。

 

ちなみにどうやって①と②を見分けるか?

これは一般の方でもある程度判断できます。

基本的には①のお腹の問題のことが多いですが、高齢になってくると②の割合が増えてきます。

②を疑う時は以下のような時ですね。

便秘薬を使って便を柔らかくしても全然出し切った感じがしない

残便感が強い

指で掻き出さないと出せない

膣に指を入れて抑えながらでないと排便できない

逆に言うと便秘薬を使って柔らかくすればある程度快便が得られると言う方は、お尻付近の問題ではない、もしくは軽いと言う場合がほとんどです。

 

①と②では受ける検査や治療が大きく変わってくるのがポイントです。

下痢・腹部膨満感

こちらに関してはThe内科です。

内科一択で良いと思います。

通常はクリニックや総合病院の消化器内科に受診することが多いですかね。

検査を行っても全く原因がわからず、治療の効果もない時は便秘外来に受診されるのが良いと思います。

下痢は原因がわかると治療できる場合が多いので、できれば原因を突き止めたいところです。

逆に腹部膨満に関してはなかなか原因を突き止めてズバッと治療することが難しいケースが多いですが、中にはしっかりと改善される方もいらっしゃると言うのが現状です。

便失禁

こちらは排便機能外来に受診されるのが良いと思います。

便失禁の原因は例えば大腸炎のような内科的に解決できるケースも中には存在しますが、多くはお尻付近に問題があります。

お尻付近の問題に関しては、外科医の方が詳しいことが多いので、消化器外科や排便機能外来に受診されるのが良いと思います。

 

便秘外来や排便機能外来は少ない

以上つらつらと述べさせていただきましたが、問題点があります。

それは便秘外来や排便機能外来はかなり少ないと言うことです。

もしかしたら皆さんが住んでいらっしゃる県に一つもないと言う可能性すらあります。

大阪や東京などの大都市であればまずそんなことはありませんが、田舎の方に行くと十分考えられます。

うーむ。

 

愛知国際病院には整腸外来があります。

2019年11月に愛知国際病院で整腸外来を立ち上げました。

以前から便秘外来や排便機能外来が少ないことには危機感を感じており、自分にできることはないかと模索しておりましたが、ついに立ち上げることができました。

 

今まで述べてきましたようにお腹の問題は内科、お尻の問題は外科というように住み分けがある程度なされれているのが現状です。

 

しかし、患者さん目線に立った時、当然どちらも診てもらえた方がいいに決まっています。

 

それを体現しようとしたのが整腸外来です。

 

僕は消化器内科医です。

つまり内科医ですのでお腹の問題に関しては自信がありましたが、お尻付近の問題に関しては勉強が必要という状況でした。

 

排便に関する症状に関しては全て自信を持って診療に臨みたいと考え、京都民医連病院の岡本先生の元へ足繁く通い、勉強させていただきました。

岡本先生は本当に優しい、そしてとても優秀な外科医で、色々とお世話になりました。

また、整腸外来を立ち上げる前に、愛知国際病院の看護師さん達と見学に行かせていただきました。

ありがとうございました。

 

話は逸れてしまいましたが、愛知国際病院の整腸外来では排便に関するトラブルに関しては一貫した診療が可能です。

遠方の方はなかなか難しいと思いますが、通院可能な方はぜひ来院ください。

愛知国際病院

 

 

ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医