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便秘に使う座薬と浣腸のまとめ
こんにちは。
今日は便秘解消のために用いる座薬や浣腸についてまとめてみます。
お付き合いくださいね。
座薬・浣腸にはどんな種類があるか
まずは座薬・浣腸にはどんなものがあるか、一緒に見ていきましょう。
・テレミンソフト
・新レシカルボン座薬
・グリセリン浣腸
・微温湯(びおんとう)
テレミンソフト
テレミンソフトはビサコジルのことですね。
つまり刺激性の座薬です。
どうやって作用するかというと
・直接粘膜を刺激する
・副交感神経を刺激する
・水分を吸収させない
新レシカルボン座薬
レシカルボンってどんな座薬?
これは一番使われる座薬ではないでしょうか?
直腸に炭酸ガスを発生させて、刺激を与えます。
便の表面にゲルみたいな薄い層を作ってツルツル滑るような感じで便を出しやすくもしてくれるようです。
普通の刺激性下剤とは違い、耐性は生じにくいと言われています。
便意を回復させてくれる可能性あり
機能性便排出障害の方に対してバイオフィードバック療法の効果が高い、
と以前お伝えしたと思いますが、バイオフィードバック療法にレシカルボン座薬を使うことでバイオフィードバック療法の効果が上がるという報告があります。
便意も回復するかもしれませんね。
機能性便排出障害について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてくださいね。
バイオフィードバック療法については以下の記事を参考にしてください。
レシカルボンの使い方
レシカルボンは挿入後に7,8分で便意が出ると言われています。
挿入後30 分たっても効果が現れない場合は追加でもう1個挿入します。
3 回目の坐剤を入れる場合は6時間くらい空けてくださいね。
グリセリン浣腸
グリセリン浣腸は直腸を直接刺激したり、便を柔らかくしたりして効果を発揮します。
即効性があると言われています。
皆さんは浣腸されたことはありますか?
今この記事を書いていて思い出したのですが、僕は子供の頃便秘がちでした。
小学生のころ何日か便がでないと母に浣腸してもらったのを覚えています。
浣腸って液を入れたらすぐにトイレに行きたくなるんですよね。
でもある程度我慢しないと液体だけ出てきてあんまり意味がない。
まあこういうのは自分で体験してみないとわからないもんですよね。
注意点
①定期的に頻回に使用するのは推奨されていない。
便秘診療ガイドラインにも書いてあります。
そうは言っても排便困難型の便秘に悩まれている方や、お尻の近くに栓ができてしまう人は定期的にやらざるを得ない状況があるんですけどね・・・
難しいですね。
糞栓については以下の記事を参考にしてみてくださいね。
②左側臥位で行う
左側臥位というのは寝転んだ状態で左側を向くことですね。
間違っても立って浣腸しない
これが重要です。
ノズルが直腸壁( 前壁)を損傷してしまう可能性があるんですね。
あと肛門に病気がある場合もノズルが変な方向に向かってしまい、損傷してしまう可能性があるので注意が必要です。
③ゆっくり入れる
直腸穿孔(せんこう)、つまり腸が破れるという合併症が一番多いので、ゆっくり注入して、常に腹痛がないかどうかを確認しながら浣腸することが大事です。
④ストッパーが直腸内に残らないように注意する
最近ストッパーが直腸の中に遺残してしまう例が増えているようです。
注意が必要ですね。
微温湯浣腸
微温湯はぬるいお湯のことですね。
お湯なので特に乳化作用などはないですが、物理的刺激を与えてあげることで腸の蠕動運動を促進するみたいですね。
参考までに他の浣腸を調べてみました。
グリセリン浣腸や微温湯以外にどんな浣腸があるのか、調べてみました。
・石鹸浣腸
・オリーブオイル浣腸
石鹸浣腸
石鹸浣腸は便秘診療ガイドライン(医者用の教科書みたいなもの)に載っていました。
「石鹸水によってS状結腸や下行結腸を刺激して、乳化作用や洗浄作用をもたらす」
と書いてあります。
石鹸はなんとなく綺麗にしてくれそうですよね。
正直僕は使用したことがないので、ちょっと何ともコメントできませんね。
そういえば最近石鹸ってめっきり使わなくなった気がしますね。
昔はよくタオルで泡立てて使ったもんですけど。
もしかしたら僕の子供達は石鹸を見たことがないかもしれません。
これって僕だけの話ですかね?皆さんは石鹸使ってますか?
オリーブオイル浣腸
オリーブオイル浣腸も緩和医療の現場では使うことがある、と本に書いてあるのを見たことがあります。
オリーブオイル自体が便秘にすごく良いと言われているので、オリーブオイル浣腸も効果がありそうな気がしますよね?
実際のところしっかりエビデンス(科学的根拠)があるのか、どんな風に使うのか、気になったので調べてみました。
まず日本語の文献は数件ヒットし、英語の文献で1件ヒットしました。
アメリカの文献は、どうやらミルクカード症候群という乳児の病気で、母乳が腸の中で塊になってしまい腸閉塞のようになってしまうという病気のようです。
その乳児に対してオリーブオイル浣腸を行ったところ改善したという報告でした。
日本語の文献も含めて、エビデンス(科学的根拠)レベルは低そうです。
論文ではないですが、もう一つ面白い記事を見つけました。
埼玉県立がんセンターの記事ですが、そこでは緩和ケアチームによって終末期のガン患者さんの便秘に対してオリーブオイル浣腸を行っているそうです。
グリセリン浣腸は少し刺激が強いので腹痛が起きてしまう可能性がありますが、オリーブオイルでは自然な排便を促せるようです。
医療用のオリーブオイルは「オリブ油」というもので、基本的には軟膏です。浣腸としては保険適用が認められていないので病院のお金で行っているようですね。
1回あたり50cc程度寝る前に使うようですよ。
これは効きそうですね。
病院のお金でやるとは言ってもオリーブオイルは1cc2円くらいなので1回50cc使っても100円くらいと、お値打ちですね。
困ったら患者さんにやってあげたいですねえ。
まとめ
座薬や浣腸についてまとめてみました。
オリーブオイル浣腸をやってくれる病院はほとんどないかもしれませんが、徐々に広まってくるかもしれませんね。
今日は以上です。
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