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大腸カメラってどれくらいの間隔で受ければいいの?
こんにちは、べんぴ先生です。
今日は便秘とは少し離れて、大腸カメラを受ける間隔について解説したいと思います。
お付き合いくださいね。
youtubeも始めました。2分の動画になっていますので、こちらを見てからブログを読むとより理解が深まるかと思います。参考にしてくださいね。
皆さんは大腸カメラを受けたことがありますか?
皆さんは大腸カメラを受けられたことがありますでしょうか?
大腸カメラを受けたことがある人はわかると思うのですが、そこそこ辛い検査です。
僕が以前勤務していた病院や現在勤務している病院では、鎮静剤を使うことができるので寝ている間に終わりますが、鎮静剤を使用しない病院で受けるとある程度しんどいと覚悟してください。
特に女性の場合は子宮があったり、知らないうちに子宮内膜症になっていたり、腹筋が男性よりも弱いので大腸カメラが難しく、痛みが強く出ることが多いです。
しかも検査をうける前に2リットルも下剤を飲まなくちゃいけませんしね。。
あれも大変なんですよね。
なのでなるべくなら検査を受ける間隔を延ばしたいというのが本音ではないでしょうか?
というわけで今回は大腸カメラをうける間隔について取り上げることにしました。
大腸カメラはどんな人がやるべき?
大腸カメラはどんな人がうけるべき検査なのでしょうか?
血便があるとか、便秘がひどいとか、お腹が張るだとか症状がある人はもちろん適応になります。
それでは無症状の人はどうでしょうか?
会社で健康診断を受けているから大丈夫
という声が聞こえてきそうです。
おそらく便潜血検査の事かと思います。
便潜血検査は非常に良い検査なのですが、すべての大腸ガンを引っかけることはできないんですよね。
これは決まった答えはないのですが、
40歳になったら、遅くとも50歳までには一度は大腸カメラを受けましょうと勧められています。
40歳になったら大腸カメラを一度受けましょう。まだ受けていない人は遅くとも50歳までには受けましょう。
ここまでは普通かと思うのですが、
数年前に行われたJapan polyp studyという研究では大腸カメラを1回受けた1年後に2回目の大腸カメラを受けることになっています。
1回目に異常がなくても2回目を受けるんですね。
これが最も安全かもしれませんね。
PCCRC(Post colonoscopy colorectal cancer)という概念があります。
つまり、大腸カメラを受けてガンはないと言われたのに次に予定されている検査を受ける前に症状が出て大腸ガンが見つかってしまう
ということです。
PCCRCの原因にはどんなものがあるのでしょうか?
医者の見逃し
不完全な検査(全処置が不良、痛みで奥まで入らなかった)
発育の早い大腸ガン
大腸腫瘍を内視鏡で切除した後の遺残再発
必ずしも医者のせいとは限らないんですね。
でもリスク因子として消化器専門医以外の医者というのがあります。
これは興味深いですが、つまり内視鏡をいつも触っていない医者が大腸カメラを行うと危険ですよということです。
消化器内科の医者はほぼ毎日内視鏡を行っているのでまず大丈夫ですが、それ以外は少し危険かもしれませんね。(一概には言えませんが)
話は少し逸れましたが、つまり1回検査を受けた1年後に2回目の検査を受けることでPCCRCの可能性がかなり減るということなんですね。
なので可能であれば1度検査を受けて問題なくても1年後に再検査を行うのがベストです。
1度大腸カメラを受けて問題なくても1年後に再検査を行うのがベスト
スクリーニングとサーベイランスについて
ここからは大腸カメラを1度行った前提で話を進めますね。
ここではスクリーニング検査とサーベイランス検査に分けて考える必要があります。
スクリーニング=大腸カメラを受けたけど異常がなかった人に行う検査
サーベイランス=大腸カメラを受けて異常があった人に行う検査
スクリーニングの間隔は?
結論から言います。
今のところ全然決まっていません。
アメリカやヨーロッパでは10年と言われています。
つまり一度大腸カメラを受けて異常がない人は、よっぽどリスクがない限り(親や兄弟に大腸ガンの方がいるなど)10年間は大腸カメラを行う必要がないということです。
ただ日本には日本の事情がありますので、「よし、日本も10年間にしよう!」とはならないんですね。
日本では1年に1度便潜血検査を受ける方が多いので、そちらは受けていただく前提です。
もちろん便潜血検査で➕と出れば大腸カメラをその都度受けてください。
もしもずっと便潜血検査で➖と出ても5年に1度くらいは大腸カメラを受けるのが良いのではないでしょうか?
これは先生によって考え方が違うのが現状です。
そのうち学会がちゃんとした検査間隔を提示してくれるまで待ちましょう。
便潜血検査は毎年受けよう。
毎年の便潜血検査で異常が出なくても5年に1度くらいは大腸カメラをやった方が良いでしょう。
サーベイランスの間隔は?
こちらは一度大腸カメラを受けたときにポリープを切除した方が当てはまります。
Japan polyp studyの結果を加味して僕の考えをお伝えしますね。
・小さなポリープも含めてすべての大腸ポリープを切除できた人➡︎3年後に受けましょう
・大量のポリープがあった人・取りきれなかった人・大腸ガンの家族歴がある人・不安が強い人➡︎1年後に受けましょう
こんなところですかね。
よくポリープを一つでもとったら来年も大腸カメラ検査を受けましょうという先生がいらっしゃいますが、しっかりと切除できていれば3年後に受けてもほとんどの場合問題がないと言うことがわかっています。
あとは欧米と違って日本はすべてのポリープを取りきるという考えがあまりないんですね。
つまり5mm以下の小さなポリープは日本ではあまり取らないんです。
ちなみにどんなに小さなポリープでも取ってしまおうという考えをクリーンコロンと言います。(コロンは腸です)
このような考え方の違いもあるので、全員が3年ごとに検査とはいかないわけなんですね。
もちろん先ほど申し上げたように医者の見逃しや異様に成長スピードの早いガンができる可能性というのはあるので、100%問題がないとは言えません。
この辺りは皆さんの不安とか人生観も関与してくるかとは思われます。
まとめ
今日は大腸カメラ検査を受ける間隔について解説させていただきました。
いかがでしたか?
近年大腸カメラは増加傾向ですので、もちろん検査を受けることをお勧めします。
ただ、大腸カメラは体力的にも大変な検査であることは間違いないので、そこが難しいところです。
血液検査みたいに毎回ホイホイとできたらいいんですけどね。
今日は以上です。
お疲れ様でした。
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