医者のつぶやき

癌の治療費について考えてみよう!

癌の治療費について考えてみよう!

こんにちは。

べんぴ先生です。

今日は気分転換にお金の話をしたいと思います。

癌を患っている方、ご家族の方だけでなく20代の方にも読んでいただきたい内容です。

お付き合いください。

癌の治療費って高いんじゃない・・・?

ガンコちゃん

癌の治療費用ってどのくらいなんですか?抗がん剤とかすごく高そうですよね?1ヶ月100万円とか?

べんぴ先生

原価から考えるとものすごく高いね。一本○○万円とかザラにある。

ガンコちゃん

やっぱり!!癌になったら自己破産するか・・・。いや、待てよ。今のうちに民間の医療保険に入っておこう!

べんぴ先生

待て待て。実際にかかっている医療費と自己負担額は違うから。

ガンコちゃん

自己負担額?

べんぴ先生

そうや。実際に自分で払う金額や。解説してみよう。

癌の治療と聞くとものすごくお金がかかりそうですよね?

実際僕も医者になるまではそう思っていましたし。

もちろんある程度のお金は必要なんですけど、どれくらいトータルで必要なのか皆さん計算したことはありますか?

 

これから一緒に計算してみましょう。

実際に計算してみましょう。

例えば60歳の人が大腸癌になった。

手術ができない。

抗がん剤を行う。

mFOLFOX6+ベバシズマブという標準的な抗がん剤を行うとします。

1回あたりの値段はmFOLFOX6がだいたい13万円。ベバシズマブが14万円。

13+14=27

1回あたり27万円です。

 

この抗がん剤は2週間サイクルで行っていくので月に2回ですね。

27×2=54万円ですね。

 

薬の費用だけでこれなので、診察代や血液検査、なんやかんやと考えていって仮に全部で60万円としましょう。

 

ガンコちゃん

無理です。払えません。

べんぴ先生

日本には健康保険制度があるからだいたいの人が3割負担や。安心して。

60×0.3=18

つまり月に18万円払えばいいんです。

 

どうですか?

高いですか?

1年に

18×12=216万円ですね。

 

やめたくなってきましたね。

 

本当にそうなのでしょうか?

 

日本には高額療養費制度がある

高額療養費制度

皆さんご存知ですか?

つまりどれだけ医療費がかかろうと限度額以上は払わなくて良いのです。

 

年収約370~約770万円の平均的な家庭で考えてみましょう。

80,100円+(医療費-267,000)×1%を月に負担することになるので

医療費に60万円を代入すると83000円くらいになります。

つまり一月に83000円払えば良いんですね。

 

しかももしも抗がん剤などを長期で行うとなれば4回目からは44400円になります。

 

大腸癌で抗がん剤治療を行うと長く見積もって30ヶ月。最後まで治療を行うとしたら

83000×3+44400×27=144万7800円です。

 

差額ベッド代金など細かいところは置いておきましょう。

一般家庭でだいたい150万円以下ということがわかりました。

 

ただ、大腸癌の場合は予後が比較的良いのでこの値段になります。

膵臓癌や胃癌であればもっと短い可能性があるので、100万円を割るかもしれませんね。

 

つまりこれくらいの貯蓄があればまずOKということです。

医療保険について考える

さて、民間の医療保険。

皆さん加入されていますか?月に4000円〜5000円くらいでしょうか。

 

平均的に癌が多くなってくるのは60歳を超えてからでしょう。

仮に25歳から医療保険に入らないつもりで60歳までお金を貯めるとしたら、

150万円➗35➗12=3571円

1ヶ月に3571円ずつ貯金をすれば良いわけです。

 

しかもこれに加えて年間10万円を超える医療費には医療費控除が受けられます。

つまり課税所得が少なくなるのでさらに負担額が低くなるということです。

 

共働きでない場合はこれに2を掛けたお金を毎月貯蓄すれば良いのです。

単純に考えるとですけども。

 

結論を言うと、民間の医療保険に入ったつもりで貯金をしていれば良いと思います。

 

貯蓄型の医療保険はどうなんだと言われると・・・

少し勉強するとわかりますよ。

 

僕はというと

もともと知り合いの勧めで加入していたのですが、医者になって4年目くらいにこの事実に気がついて、速攻で解約しました。

だからと言って貯金はあんまりないですけどね。笑

 

皆さんがどう捉えるかは自由ですが、高額の治療費が必要な癌ですらこの程度ですからね。

 

特に20代の若い方にはこの事実を伝えてあげたいですね。

日本の健康保険制度はすごい!

逆に

今の日本の健康保険制度がどれだけ優れているか、ということをお伝えしたいです。

アメリカなどと違って日本は国民皆保険制度です。

つまり健康保険に入っているみんながこの恩恵を受けられるんですよ。

逆に言うと民度が高くないと続かないシステムになっています。

日本人の他者を思いやる、優しい民族性があるからこそ続いている制度なんですね。

 

それを混合医療にしようとする圧力がどこからかかかっている、と聞いたことがあります。

以前少し問題になっていましたよね?

 

詳しくは言いませんが、混合医療は本当に医療費がどんどん高騰していく制度なんです。

値段がどんどん上がっていくんですよ。

アメリカで盲腸の手術を受けたら100万円かかったなんていう話もジョークのように聞くことがあります。

 

日本の医療保険制度はみんなで良識を持って守っていく必要があります。

 

僕は国民皆保険制度が続いて、高額療養費制度がある限りは民間の保険に入る必要はないと思っています。

 

逆に言うと現在の医療保険制度が破綻したら誰が一番得をするでしょうか?

深くはお話ししませんが、お分かりですよね?

 

あんまり言うとどこかからの圧力で潰されそうなのでこの辺りにしておきます。

 

お疲れ様でした。

 

 

実は今回noteという媒体を使って電子書籍を書かせていただきました。

当サイト便秘LABOでは便秘と下痢にターゲットを絞ってブログを書いていますが、普段は消化器内科医として勤務していますのでお腹の癌の患者さんの診療に毎日当たっています。一度お腹の癌についてしっかりとまとめたいと思っていたんですね。化学療法や手術についての詳しい説明はしておらず、どちらかというと緩和医療に関する内容となっております。

ご家族や友人にお腹の癌を患われている方がいらっしゃる方や、まだ若いけれども癌について興味のある方に読んでいただきたい内容になっています。

もちろん今現在癌にかかっているけれども、これから一体どんなことが自分に起こるのか知りたいという方にもぜひ読んで頂きたい内容です。(覚悟が必要です)

有料ではありますが、一度読んで頂けると幸いです。

終わり方を知ると人生が動き出す〜お腹のガンになったらどうなるの?〜

 

 

ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医