水をたくさん飲むと便秘が治る?
こんにちは。
水を2L飲むと便秘解消に効果がある
よくお聞きになりませんか?
このキャッチフレーズ。
前から気になっていたので今回は「水分と便秘」について取り上げてみたいと思います。
内容としては全然難しくないですし、大したことないので肩の力を抜いて読んでくださいね。
こちらの動画を見てからブログを読むと理解が深まると思います。
ぜひご覧ください。
「2L水を飲むと便秘が解消する」というエビデンスはある?
いつも通り文献を検索してみました。
何個か水分量と便秘に関する文献を見つけたので、さらっと読んでみました。
う〜ん、2Lの水が便秘を解消するという明確なエビデンス(科学的根拠)はなさそうです。
この手の研究はお金にならないのでなかなか大規模なものがないんですよね。
少なくとも僕は「毎日2Lの水を飲むと便秘解消になる」ということを結論付けた論文は見つけられませんでした。
ざんねん。
でも一つ面白い文献があったので紹介しますね。
日本人の看護師さんがまとめた文献です。
これまでに報告された日本、海外の「便秘と水分量」に関する文献を集めて検討したものですね。
手っ取り早く結論だけお伝えしましょう。
結論①
1日の水分摂取量が最低必要尿量である500mL以下の場合は(1日に500ccは尿が出ないと困るということ)、排便量を減少させ便秘症状の発現につながる.
結論②
便秘患者さんに水分摂取を促す際に、500mL以上の何mL の水分摂取が必要かにいてはエビデンスがない
結論③
便秘患者さんに水分摂取を促す時、もともと脱水傾向なら便秘症状の改善に有効だが,脱水傾向がないなら水分摂取量を増加させても便秘を改善するというエビデンスはない。
つまり
水は1日に最低でも500ccは飲みましょ。脱水気味ならもうちょっと飲みましょ。
という結論です。
なんで2リットルなんやろ?
2Lという数字はどこから来たんかな?
色んな本を読んでいると便秘の分野だけでなく、2Lという数字が出てきます。
これは単なる偶然なのか・・・
それとも確固たるエビデンスがあるのか・・・
どなたかご存知の方がいらっしゃったらぜひ教えてください。
ちなみに健康な人だと
1日の便に含まれる水分量は200ccくらいと言われています。
小腸から大腸に流れ込んでくる水分量は1日9Lです。(消化液7Lと食事由来2Lくらい)
9Lですよ、9L。
大腸はとてつもない量の水分を吸収してくれているんですね。
個人的には消化液の7Lにびっくりです。
水を2L取れというのはここから来ているんですかねえ?
でもこれは食事の中に含まれる水分も入っていますので、ペットボトルで2L水を飲んでいるわけではないです。
毎日水2L飲めますか?
みなさん水を2L取れと言われて飲めますか?
僕は一時期肉体改造に取り組んでいた時に毎朝コンビニで2Lのペットボトルを買って飲んでいましたが、結構辛いですよ。
お腹タプタプになりますね。
もちろん続きませんでした。
高齢者は脱水に陥りやすく、脱水になっていることに気づきにくいと言われていますので、高齢者こそ水を2L飲むようにとよく書いてありますが、まず無理なんじゃないでしょうか?
心不全や腎不全などを患われている方にはもちろんお勧めできませんし。
若い方でも2L毎日続けるのは至難の技かと思います。
結論としては2Lは現実的に難しいですが、年齢にかかわらず水分はある程度しっかり取った方が良いと思います。
水を飲むなら硬水も飲みましょ
水には硬水と軟水があることはみなさんご存知かと思います。
硬水にはマグネシウムが含まれているので便を柔らかくしてくれる作用があります。
ヨーロッパに旅行に行くとわかりますが、硬水が多いですよね?
一説によるとヨーロッパでは日本人より便秘が少ないのは硬水のおかげかもしれないそうです。
真実はどうかはわかりませんが。
量は少ないですが、自然にマグネシウム製剤を内服している感じですね。
マグネシウム製剤については以下の記事でまとめていますので参考にしてくださいね。
僕は硬水って飲みにくいんであんまり好きじゃないですけど、硬水を飲める方にはお勧めします。
(もちろんマグネシウム製剤をすでに内服されている方は無理して摂取する必要もありませんし、マグネシウムの取りすぎにも注意してくださいね。)
まとめ
・水を2Lとるべきというエビデンスはなさそう
・少なくとも1日に500cc以上は水を飲みましょう
・高齢の方は特に脱水になりやすいので、便秘解消のためだけでなく脱水予防のためにも意識して水分を摂取しましょう
・硬水は飲めるならお勧め
「便秘と水分摂取量」に関してはあんまりしっかりしたエビデンスはなさそうでしたね。
ただ、エビデンスがないからといって水を摂取することが大事ではないというわけではないです。
個人差も強いところかと思いますので、各個人に合った水分量を見つけて、無理せず摂取していけば良いのではないでしょうか?
今日は以上です。
お疲れ様でした。