便秘・下痢

下痢がずっと続く。原因は何が考えられる?

最低限行う検査

 

最低限行うべき検査は以下のものです。

最低限の検査

・血液検査

・便の検査

血液検査

血液検査で見るべき項目というのは大体決まっています。

炎症反応、貧血の値、甲状腺の値などです。

まあこの辺りの項目は医者に任せるしかないのですが、それなりに項目を絞って行うのが良いと思います。

British society of Gastroenterology

というところから慢性下痢症のガイドライン(医者用の教科書のようなもの)が2018年に出ているのですが(何年かに一度更新されます。)、それによるとこの時点でセリアック病の血液検査も行うべきとなっています。

ヨーロッパではルーチーンで行うのですね。

 

セリアック病ってご存知ですか?

テニスのジョコビッチ選手は確かセリアック病だったと思います。

グルテン関連疾患の一つです。

 

グルテンというのは小麦に含まれるあのグルテンですね。

 

この血液検査は良い検査なのですが日本の保険診療ではできません。

自費なら可能ですが、日本の中で検査できる機関は非常に限られています。

 

それに加えて日本ではどれくらいグルテン関連疾患の方がいらっしゃるのか、わかっていません。

非常に少ないとは言われていますが、実際どの程度の少なさなのかはわかっていませんし、検査していないだけで意外と多い可能性があります。

 

少なくとも日本ではセリアック病の血液検査はルーチーンで行うことはありませんね。

 

便の検査

便の検査が重要なのは多分誰もがわかることですよね。

なんてったって主訴は下痢なんですからね。

 

便の検査にも色々あります。

便の検査

・便潜血検査

・便の培養検査

・便の炎症を見る検査

 

便潜血検査は大腸ガンを否定するために行います。

慢性下痢を引き起こすなかでおそらく大腸ガンがもっとも怖い病気です。

気をつけなければいけませんね。

 

次は便の培養検査ですね。

実際に培養検査でわかる病気は少ないですが、細菌感染でも慢性下痢になることがあります。検査して損はあまりないと思います。

 

便の炎症を見る検査というのは具体的には便中カルプロテクチン検査と言います。

これは確か2年前くらいから日本でも始まったと記憶しています。(間違っていたらすみません)

僕らも実臨床でよく使いますが、具体的には炎症性腸疾患(IBD)の患者さんに使います。

 

IBDは小腸や大腸に炎症が起こる病気ですが、大腸の調子を見る指標が必要なんですね。

 

毎回毎回大腸カメラを行うわけにはいかないので、もっと簡単に腸の調子を見るために編み出された検査です。

 

過敏性腸症候群(IBS)と診断する前には必ずこの検査を行って腸に炎症がないことを確認しましょう、とガイドラインでも勧められています。

 

ただ、IBDを否定するために便中カルプロテクチン検査を行うのは日本では保険が効かないかもしれません。

 

僕も炎症性腸疾患(IBD)を除外するためにこの検査を行ったことがないので・・・すみません、確認しておきます。

 

なぜ僕がやらないかというと、直接大腸カメラで覗いてしまうからです。

そっちの方が確実に炎症性腸疾患(IBD)を否定できますしね。

 

一般的には大腸カメラは40歳以下で過敏性腸症候群を疑う人にはお勧めしない

となっています。

 

ただ・・・まあやりますよね、大腸カメラ。

 

最近は炎症性腸疾患(IBD)の人が増えているので、こちらも大腸カメラを一度は行って安心したいという気持ちがあります。

 

患者さんも希望されることが多いですしね。

次に考えるべき慢性下痢の原因

 

ここまででもかなりの疾患がわかります。

普通の病院であればこれくらいの病気を否定すれば

過敏性腸症候群もしくは機能性下痢症でしょうという結論になるかと思います。

 

ただ、まだまだ実は否定すべき病気が隠れています。

 

否定すべき病気をわかりやすく4つのグループにわけたいと思います。

否定すべき下痢の原因

・最も注意すべき3つの下痢の原因

・内視鏡で診断すべき下痢の原因

・そこそこ注意すべき下痢の原因

・かなりレアな下痢の原因

ガンコちゃん

この分類は誰が考えたんですか?

べんぴ先生

僕や。完全に独断やけどちゃんと理由もある。

ガンコちゃん

ほほう。

最も注意すべき3つの下痢の原因

 

まずは3つの原因を確認してみましょう。

 

3つの原因

・食事

・胆汁酸性下痢

・膵疾患による下痢

この3つは押さえておきたいところです。

 

食事による下痢

これ意外と多いですよ。

よくあるのがジュースとかチューインガムに含まれる物質が原因で下痢になっているものです。

あとはコーヒー飲み過ぎとか。

 

少し注意すれば治ることなんですね。

 

ちなみにグルテン関連疾患乳糖不耐症もここに分類しました。

 

胆汁酸性下痢

ズバリ言ってしまいましょう。

原因不明の慢性下痢と言われた患者さんはかなりの割合で胆汁酸性下痢です。

これにはしっかりとした治療方法があるのでまずは試してみる価値が多いにあります。

胆汁酸性下痢は本当に大事なので以下のブログで説明しています。

参考にしてみてくださいね。

 

膵疾患による下痢

 

膵臓の病気のせいで下痢になってしまうことです。

先ほども既往歴のところでちらっとご説明しました。

 

膵疾患による下痢がどのくらい多いのかはわかりません。

というのもおそらく一番多いと言われている慢性膵炎は、ある程度病気が進んでからでないと診断できないからです。

 

現状一番良い検査はセクレチンという物質を使ったMRIか超音波内視鏡検査と呼ばれるものです。

それか便の中のエラスターゼと言う物質を調べるのが良いとされていますが、いずれも早期に診断することは難しいですね。

 

膵臓が原因の下痢では消化酵素剤を使用すれば下痢が治ることがあるので試してみる価値があります。

 

消化酵素剤については以下の記事を参考にしてくださいね。

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ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医