便秘・下痢

下痢がずっと続く。原因は何が考えられる?

内視鏡で診断すべき下痢の原因

 

内視鏡で診断すべき下痢には以下のものがあります。

内視鏡で診断すべき下痢の原因

・顕微鏡的腸炎

・好酸球性腸炎

・放射線性腸炎

・アミロイドーシス

・偽膜性腸炎

・腸管スピロヘータやアメーバなどの慢性感染症

・小腸のガン・リンパ腫などの腫瘍

 

べんぴ先生

これらが全部内視鏡で診断できるかと言われればそうじゃないんや。

ガンコちゃん

どういうことですかあ?

べんぴ先生

一見すると正常な綺麗な粘膜に見えるものも含まれているんや。ただ、組織を取ってみたらこんな病気でしたと判明することがある。

ガンコちゃん

つまり、正常に見えても組織を取る必要があるということですね?

べんぴ先生

そういうこと。

 

急に難しい名前がいっぱい出てきてびっくりされたのではないでしょうか?

無理もないです。

 

ここに挙げられている病気は今後一つ一つ簡単に解説していきますが、皆さんは覚える必要はありません。

 

大腸カメラを行わないとわからない病気があるということ

大腸カメラで正常に見えても、実際に組織を取って顕微鏡でみるとわかる病気があるということ

 

この2点を理解していただけたら良いです。

ただ、粘膜が正常に見えるときに組織を取るということは内視鏡医にとってハードルが高いことなのです。

出血などのリスクがありますからね。

 

なので

大腸カメラで見ただけで異常がありませんでした

と言われることが多いかと思います。

そこそこ注意すべき下痢の原因

 

次にそこそこ注意すべき下痢の原因について考えてみましょう。

そこそこ注意すべき下痢の原因

・SIBO

・HIV

・外科的な要因

・便失禁

 

SIBO

SIBOはシーボと読みます。

まだまだわかっていないことが多い疾患ですが、患者さんが相当数いらっしゃることは間違いないと考えられています。

IBSと診断された患者さんの中にもまず間違いなくSIBOの患者さんはいらっしゃるはずです。

SIBOについては以下の記事にまとめてありますので参考にしてみてくださいね。

 

HIV

HIVウイルスのことですね。

 

放置しておくとAIDSになってしまう怖いウイルスです。

 

HIVに感染するとかなりの確率で便通異常を引き起こすことが知られています。

一度血液検査をするだけで除外できますので、疑いがあれば検査しておきたいものです。

(診断には再度血液検査が必要です。除外するだけなら1回の血液検査でOKです。)

 

HIVに感染している人はパピローマウイルスにも感染していることが多く、肛門の癌などにもなりやすいので注意が必要なんですね。

外科的な要因

これも先ほどちらっとお話ししましたが、下痢の原因としては意外と多いです。

たまに胆のうと大腸が炎症で貫通して瘻孔(ろうこう)ができて下痢になっている時もあります。

 

便失禁

つまり便を漏らすということです。

肛門の機能がおかしくなっている可能性があるので調べる必要があります。

肛門の機能が正常であれば、通常通り下痢の原因を探っていく必要があります。

下痢を漏らすよりも通常の便を漏らす方が重症と言われています。

かなりレアな下痢の原因

 

これはもはや僕も出会ったことのない病気ばかりです。

国家試験では勉強する病気ですが、通常は考慮する必要がないような病気ばかりです。

出会ったら学会で症例報告するくらいのレベルです。

一応書いておきますね。

かなりレアな下痢の原因

・小腸の他の病気(Whipple病や腸リンパ管拡張症、Vipoma)

・ホルモン産生腫瘍(ガストリノーマやカルチノイド)

・虚偽性下痢

・アジソン病

・副甲状腺機能低下症

 

虚偽性下痢は自分が病気だと嘘をつくということですね。

実際は下剤を内服して下痢になっているので、飲んでいないと主張したりする、ということです。

自分が病気であると主張することでなんらかの得があるということですね。

まとめ

少し長くなってしまいましたが、いかがでしたか?

下痢の原因がものすごく多岐にわたることをご理解いただけたかと思います。

まずははじめに考えるべき原因と、次に考えるべき原因に分けることが重要です。

さらに、筋道立てて考えることが大事で、これは違うこれは違うと適当に考えると罠にはまっていくのですね。

今日ここで取り上げたような原因を全て否定した上で、原因がわからない場合に初めてIBSや機能性下痢症の診断になるのです。

 

実際にはIBSの診断も今は除外診断ですが、もっとpositiveに診断される時代がくるとは思いますが。

 

どういうことかと言うと、今は血液検査だけではIBSの診断はつけられませんが、ある程度有用な血液マーカーというのが出てきているのです。

 

もっと優れたマーカー(血液だけでなく便の検査でも)が出てこれば、そのマーカーによってIBSという病気が定義される時代がくるかもしれないということです。

 

 

便秘や下痢の鑑別というのは普通のお医者さんは苦手なことが多いので、患者さんが自ら勉強して医者よりも知識を得ていくことが重要なのです。

 

今日は一つ一つの具体的な病気についての説明はしていませんので、これから一緒に勉強していきましょうね。

 

今日は以上です。

お疲れ様でした。

 

ではでは。

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ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医