便失禁の原因や治療について解説するで!
みなさんこんにちは。
べんぴ先生です。
今日は便失禁(べんしっきん)という病態について考えていきたいと思います。
お付き合いくださいね。
便失禁とは?
便失禁=便を漏らす
つまり出したくもない時にうんちが出てしまうということですね。
便失禁にもガイドラインというものがあります。
便秘にもガイドラインがありましたね?
ガイドラインは医者用の教科書のようなものです。
便失禁診療ガイドライン2017によると、このように定義されています。
無意識または自分の意思に反して肛門から便が漏れる症状=便失禁やで。
ちなみに肛門失禁とガス失禁という言葉もあります。
無意識または自分の意思に反して肛門からガスが漏れる症状=ガス失禁
便失禁+ガス失禁=肛門失禁
つまり便失禁というのは病名ではなくて症状である
ということです。
みなさんは便を漏らしたことがありますか?
僕は胃腸があまり強くないので、よく胃腸炎になります。
ひどい下痢になる時はたまに水みたいな便を漏らすことがありますね。ごくたまにですが。
固形便ですと小学校の時に漏らしてバカにされたことがありますね。笑
一度や二度うんちを漏らすくらいなら問題ないでしょう。いろんな事情がありますし。
しかしこれが日常的に起こってしまうと「病気」となってしまうわけなんですね。
常に便が漏れる恐怖があるというのは大変なことなんです。
便失禁に悩んでいない皆さんも想像してみてください。
自分だったら・・・
少なくとも外出の機会は減るでしょうね。
みんなに臭いと思われていないだろうか?
とか考えてしまいますね。
旅行も当然楽しめないでしょう。
何かと理由をつけて断ってしまうかもしれません。
つまり便失禁になってしまうとQOL(quality of life:生活の質)が格段に下がってしまうということです。
便失禁になってしまうとQOL(quality of life:生活の質)が確実に下がってしまうんやで。
便失禁で悩んでいる人はどのくらいいる?
500万人というとものすごく多いですね。
ガイドラインを参照してみましょう。
日本では65歳以上の男女別で考えると
男性の8.7%が、女性の6.6%が便失禁に悩んでいると言われています。
男性の8.7%が、女性の6.6%が便失禁に悩んでいるんやで。意外と多いでしょ?
個人的には女性の方が多いのかなという印象なのですが、日本では違うようですね。
若い人ではもっと少ないでしょうが、もちろん悩んでいらっしゃる方は大勢おられます。
便失禁に悩み、外来に受診される患者さんは相当数いらっしゃいます。
ただ、世の中でほとんど知られていないのは、「悩んでいることを打ち明けにくい」からだと思います。
自分だったら・・・
敢えては言わないですよね。
「最近うんちが漏れるねん・・・」
うん。言わないかな。
あ、嫁にだけは言いますかね。
でも実はこれだけ悩まれている方がいらっしゃる、というのは少し安心材料になるのではないでしょうか?
便失禁で悩んでいる方が少ないのではなく、実際は多いのに誰にも相談していない
ということがこのデータからわかります。
一人で抱え込む必要はないんやで。隣の友達も便失禁で悩んでいる可能性があるんやで。大丈夫。
そして
今読んでくださっている方も将来は便失禁に悩む可能性が十分あるということです。
便失禁はすごくありふれた症状で、誰もが将来便失禁になる可能性があるんやで。
現在便失禁に悩んでいない皆さんも将来便失禁になってしまう可能性は十分ありますので、ぜひ便失禁に興味を持って読んでいただけたらなと思います。
どんな人が将来便失禁になりやすい?
当然と言えば当然なのですが、高齢になればなるほど肛門の筋肉が衰えていくので便失禁になるリスクが高くなります。
今若い人の中で、どのような特徴のある人が将来便失禁になりやすいのでしょうか?
それは
出産歴のある太った女性
です。
出産歴のある太った女性は将来便失禁になるリスクが高いんやで。
このような方はたくさんいらっしゃいますよね?
出産歴に関してもう少し詳しく見てみましょう。
・分娩回数が多い
・自宅で分娩を行った
・一人目の子供を自然分娩した
・大きい赤ちゃんが生まれた(4000g以上)
・分娩の時に異常事態になった。(鉗子分娩や吸引分娩など)
経膣分娩の20-30%に肛門括約筋の損傷があると言われています。
そして経膣分娩の回数が増えるほど損傷リスクが上がっていきます。
子供をたくさん産むほど便失禁のリスクは上がっちゃうんやで。
産後早い時期から便失禁に悩まれる方もいらっしゃいますが、ほとんどの場合は若いうちは無症状で、高齢になるに連れて便失禁を発症することが多くなってきます。
それでは便失禁についてしっかり考えていくで!
①便失禁の原因
②便失禁の鑑別に必要な検査
③便失禁に対する治療