下痢や血便が続く人は必見!免疫の病気の可能性があるんやで!
みなさんこんにちは。
べんぴ先生です。
今日は腸の免疫の病気について解説していきたいと思います。
お付き合いください。
腸の免疫の病気って何?
腸の免疫の病気=炎症性腸疾患
腸の免疫の病気は医学的には炎症性腸疾患と呼ぶんやで!
腸の免疫の病気のことを医学的には炎症性腸疾患と呼びます。
炎症性腸疾患には大きく分けると2種類の病気があることが知られています。
・潰瘍性大腸炎
・クローン病
炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類の病気があるんやで。
クローン病は僕も初めて医学部で習ったときにはクローン人間のクローンかと思いました。
でも違います。
クローン博士が命名したからクローン病なのです。
英語だとスペルが違うのですがカタカナだと同じになってしまうので混乱してしまいますよね?
あと覚えて頂きたいことがあります。
炎症性腸疾患は英語でIBD(アイビーディー)と言います。
潰瘍性大腸炎はUC(ユーシー)
確かにIBDとIBSは間違いやすいです。
この2つは名前は似ていますし症状も似ていますが、しっかりと区別する必要があります。
・IBS=過敏性腸症候群
・IBD=炎症性腸疾患
・腸の免疫の病気=炎症性腸疾患
・炎症性腸疾患=IBD
・IBD=UC(潰瘍性大腸炎)+クローン病
はじめに用語を覚えるのは大事やで。何でも最低限の知識は必要。でもここまでで暗記は終了やで。
くれぐれもIBSとIBDは間違えないでくださいね。
病気が変わってしまうので。
IBS(過敏性腸症候群)は当ブログでも何度も出てきていますが、まだしっかりと解説はできていません。別の機会にまとめることにします。
IBDにかかっている人はどれくらいいるの?
UC(潰瘍性大腸炎)・・・17万人
クローン病・・・4万人
2019年現在ではさらに増えているはずです。
IBDは10年ちょっとで2倍に増えているんやで。他人事じゃないんやで。
以前勤務していた病院の部長先生がおっしゃっていました。
「俺が医者になった頃にはIBDなんてほとんど見ることはなかった。IBDの患者さんに出会うとどうして良いかわからなくて困ったものだった」と。
例えば僕の今の消化器内科外来。
1日に30人〜40人程度の患者さんがいらっしゃいますが、そのうち4〜5人程度はIBDの患者さんです。
明らかに増えていることがわかるかと思います。
僕らの実感としても年々IBDの患者さんは増えていってるで。
どうやら食の欧米化は関与してそうやで。
そもそもIBDは欧米に多い病気なんですね。
IBDの原因は何?
IBDの原因については先ほどもお伝えしましたように厳密にはわかっていません。
免疫を抑える薬=免疫抑制剤
免疫抑制剤を使うとIBDがよくなることは古くから知られていました。
通常免疫というのは異物を体内から除外するために働きます。
しかしIBDではなぜか自分の腸の粘膜を自分の免疫で攻撃してしまうんですね。
なぜ自分で自分を攻撃してしまうかは厳密にはわかっていないということです。
IBDは免疫が関与していることは間違いない。でもなぜ自分が自分を攻撃するかはわかっていないんやで。
ちなみにIBDはUC(潰瘍性大腸炎)もクローン病も難病に分類されます。
UCもクローン病もしっかりと薬でコントロールすれば、問題なく生活を送ることができます。
特にUCでは薬が必要なくなる人もたくさんいらっしゃいます。
難病はなったら終わりという意味ではないで。しっかり治療すれば大丈夫やで。
ただ、病気そのものを治すということは現時点ではなかなか難しいです。
例えば潰瘍性大腸炎で薬が必要なくなったとしても、「病気が治った」と言われることはないと思います。(もしも病気が治ったならば、そもそもはじめの診断が間違っていた可能性があります。)
その場合は「薬を使わなくても病気をうまくコントロールできている」と表現します。
IBDを完治することは現時点では難しいで。でもうまくコントロールすることは可能やで。
ちなみにIBDは難病なので難病申請できます。
つまり国が医療費をある程度負担してくれるんですね。
ただ、最近はその申請が通りにくくなってきました。
なぜだかわかりますか?
一言でUCやクローン病と言っても、症状はごくごく軽症から重症まであります。
特に軽症のUCはなかなか申請がおりません。
ただ、申請がおりなくても軽症の場合はそこまで医療費がかからないので、問題になることは少ない印象です。
お金は大事やで。特に慢性疾患はずっと治療が続くから。