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過敏性腸症候群(IBS)の治療薬について解説するで!
みなさんこんにちは、べんぴ先生です。
今日は過敏性腸症候群の治療薬について簡単に解説していきたいと思います。
例にならって過敏性腸症候群という名前は長いので、IBS(アイビーエス)と呼ばせていただきますね。
ぜひお付き合いください。
IBSの治療の大前提
つまりしっかりと信頼できる医師を見つけることができるかどうかです。
こういう言い方をすると医師が良いか悪いかで全てが決まってしまいそうですが、患者さんサイドにも責任があります。
それは医療に協力する責任です。
全部医者任せではなく、自らも治療に積極的に参加する姿勢も大事なんですね。
医師と患者という立場ではあってもお互い人間ですので、より良い関係を二人で築き上げていく必要があります。
そうすることで治療の効果が高まることが知られているんですね。
患者さんと医者の関係がよくなると、治療効果が高まることが知られているんやで。
IBSの薬はプラセボ効果が高いことが知られています。
IBSはプラセボ効果が高い病気なんやで。
IBSは単なるメンタルの問題と思っていらっしゃる方は以下の記事を読んでください。
簡単にまとめてありますので。
もう一つ大前提をお伝えします。
食事・運動・睡眠。
この3つを大事にしてください。
とっても大事です。
食事・運動・睡眠は大事なんやで。
これをおろそかにしていると治るものも治りません。
食事療法については以下の記事ですでに解説済みなので参考にしてくださいね。
運動も大事ですよ。
よく経験するのは、部活をやめてからIBS症状が出るようになってしまった高校生や大学生ですね。
運動をやめて数ヶ月すると症状が出ることが多い印象です。
毎日運動することが一番良いですが、なかなか難しい場合には週に2,3回でもまとまった時間運動することをお勧めします。
ヨガが効果的であったという論文もあります。
運動は便通を促すだけでなく、ストレス発散にもなるので家で閉じこもらずに外へ出るのも良い効果を産むんだと思います。
意識的に運動する時間を作ろう!
あとは睡眠ですね。
日本人は先進国の中では比較的睡眠時間が短いらしいですよ。
睡眠している時に小腸の大きな蠕動がおきますので、特にガスがたまりやすいという方は睡眠時間を意識的に確保することをお勧めします。
人間は寝ている間におならをたくさんしているんですね。
私事ですが
仕事柄、当直などが多いんですね。
昼夜逆転したり、睡眠時間が少なくなることが多いんです。
そうすると必ず腹痛と下痢に襲われるわけです。
これは僕だけでなく同僚などに聞いても意外と多いようですよ。
・医者と患者さんで良い関係性を築く努力をしましょう
・食事、運動、睡眠を大事にしましょう
IBSに糞便移植は効果がある?
以前にも一度お話しましたね。
糞便移植っていうのは他人の腸内細菌を自分の大腸に移植するというものです。
正確に言うと腸内細菌自体がその後定着しないことがほとんどなので、移植という言葉を見直す必要があるかもしれません。
感染性腸炎後にIBSになる人がいることから(PI-IBSと呼ぶんでしたね)、腸内細菌が何かしら関与している可能性が高いと推測して、糞便移植が効果を発揮するのではないかと医療者も考えているわけなんですね。
PI-IBSについては以下の記事を参考にしてくださいね。
でも糞便移植の効果は研究によってまちまちで、全体的にみると今のところは効果が乏しいと判断するのが妥当だと思います。
それにまだ保険診療では行うことができないですしね。
腸内細菌を移植するという意味では、プロバイオティクスを飲むのが今のところベターな治療だと思います。
IBSの第一段階で使う治療薬
IBSで使う薬は大きく3つに分かれます。
・第一段階で使う薬
・頓服で使う薬
・第二段階で使う薬
こんな風に分けて考えると頭の中がすっきりします。
イリボー
下痢型IBSの基本となる薬です。
これが下痢型IBSのメインドラッグです。
本物のIBSであればある程度イリボーが効果を発揮することが多いです。
男性と女性で内服する量が違うので、注意してくださいね。
男性と女性で飲む量が違うんやで。
後、フルボキサミンという抗鬱薬と一緒に内服するとイリボーが効き過ぎてしまうので注意が必要です。
副作用に虚血性腸炎があります。
虚血性腸炎という病気は、急激な腹痛の後に下痢が続いて、途中から血便に変わる良性の病気です。
たまに重症化するので注意が必要ですが、基本的には放っておけば治る病気でしたね?
虚血性腸炎については以下の記事を参考にしてくださいね。
イリボーについて詳しく知りたい方はイリボーの添付文書を参考にしてください。
イリボーが下痢型IBSの最重要ドラッグやで。
リンゼス
そうです。
リンゼスがIBS便秘型の最重要ドラッグなのです。
つまりイリボーとリンゼスがIBSに置ける最も大事な薬と言えるわけなんです。
リンゼスについては以下の記事でまとめていますので、参考にしてくださいね。
下痢型にはイリボー、便秘型にはリンゼスがキホンのキやで。
コロネル・ポリフル
コロネル・ポリフルは便秘型にも下痢型にも使える薬なんですね。
下痢の時には水分を吸収して有形便にしてくれますし、便秘の時には水分を引き込むことで柔らかくしてくれる優れものなんです。
個人的にはとても好きな薬ですが、飲み合わせの問題が少しあるので注意が必要なのでした。
コロネル・ポリフルに関しては以下の記事でまとめていますので参考にしてくださいね。
セレキノン
セレキノンは消化管の機能を優しく整えてくれる薬なんですね。
なので消化管機能調節薬と呼ばれることが多いです。
セレキノンは胃腸が動きすぎている時は抑えてくれて、胃腸の動きが止まり気味の時は動かしてくれる優れものです。
そういう意味ではコロネルやポリフルに似ているんですね。
ただ、効果が少しマイルドなんですね。
セレキノンについては以下の記事でまとめていますので、参考にしてくださいね。
プロバイオティクス
いわゆる整腸剤ですね。
先ほども説明しましたが、糞便移植と考え方はほとんど同じです。
生きている菌を飲むことで、腸内細菌のバランスを変えてあげようという話です。
プロバイオティクスはすごく効果が高い薬、というわけではないのですが、体に合う人は他の薬がいらなくなるくらい合う時があります。
なので試してみる価値はあると思います。
プロバイオティクスについては以下の記事でまとめていますので、参考にしてくださいね。
ただ、お腹の張りが出る人が一定数いるので注意が必要です。お腹の張りがひどくなる時は早めに中止することをお勧めします。