べんぴ先生のブログ

ロキソニンやボルタレンは下痢や潰瘍を引き起こす怖い薬なんやで。

ロキソニンやボルタレンは下痢や潰瘍を引き起こす怖い薬なんやで。

みなさんこんにちは。

べんぴ先生です。

今日はロキソニンやボルタレンという薬の副作用についてご説明したいと思います。

お付き合いくださいね。

ロキソニンやボルタレンってどんな薬?

ガンコちゃん

ロキソニンとかボルタレンって有名な痛み止めの薬ですよね?薬局にも売ってますよ。

べんぴ先生

そうそう。解熱鎮痛薬に分類される薬やね。ロキソニンとかボルタレンは同じような薬で、まとめてNsaids(エヌセイズ)と呼ばれる薬なんや。

ロキソニンやボルタレンはNsaidsという薬に分類されるんやで。

Nsaidsという名前は覚える必要はないですが、ロキソニンやボルタレンという薬が同じ系統の薬であるということは覚えてください。

ちなみにNsaidsという薬は市販薬ではロキソニンなどの他に以下のような薬があります。

Nsaidsの市販薬

イブ

ノーシン

セデス・ハイ

バファリン

などなど聞いたことのあるものが多いのではないでしょうか?

ガンコちゃん

私でも知ってる薬ばっかりですねえ。テレビのCMでもやってますし。

べんぴ先生

そうやな。そして薬局でも売ってるくらいの薬やから、みんな安易に飲んでしまいがちなんやけど、実は怖い副作用がたくさんあるんや。

ガンコちゃん

怖い副作用・・・

べんぴ先生

うん。これほどまでに医療者と非医療者のイメージがかけ離れた薬もそうそうないよ。

みんなNsaidsなめすぎなんやで。

もちろん鎮痛効果に関してはとても優れた良い薬です。

使い方によっては非常に頼りになる薬なのですが、一歩使い方を間違えるとえらいことになります。

実際僕自身、怖い目にあったことがたくさんあります。

 

今日はNsaidsの副作用について簡単に説明したいと思います。

Nsaidsがお腹に及ぼす影響

まずはお腹に及ぼす影響について一緒に考えて行きましょう。

Nsaidsのお腹の副作用

・潰瘍

・顕微鏡的腸炎

潰瘍

ガンコちゃん

ロキソニンを飲むと潰瘍ができるんですかあ?

べんぴ先生

何を言ってるんや、ガンコちゃん。ロキソニンと言えば潰瘍、潰瘍と言えばロキソニンや。今日の最重要事項や。この写真を見てくれ。

これは胃の内視鏡写真です。

つまり胃カメラで撮影した胃の中の写真です。

白くて丸いものが見えますね?

これが胃潰瘍です。

2つの胃潰瘍が向かい合ってできています。

この方は胃カメラを行う2週間前から腰痛に対してロキソニンの内服を始めました。

突然血を吐かれたので、胃カメラを行うことになったのです。

 

この方は病歴からロキソニンによる潰瘍と診断しました。(後日組織を採取しましたが、癌細胞はありませんでした。)

ロキソニンを中止して胃薬の内服を開始したところ徐々に症状は治り、3ヶ月後に行った胃カメラではしっかりと治っていることが確認できました。

 

ロキソニンやボルタレンなどのNsaidsを内服することでできてしまう潰瘍を、僕らはNsaids潰瘍と呼びます。

ガンコちゃん

そのままやん。

べんぴ先生

わかりやすいやろ?

これが今日の最重要単語です。

Nsaids潰瘍という言葉は覚えなくてもええけど、ロキソニンやボルタレンを飲むと潰瘍ができるリスクがあるということは覚えておいて欲しいな。

ちなみに座薬や貼り薬であってもNsaidsの副作用は起こりえます。

特に座薬は注意が必要ですね。

口から飲まなくても副作用は起こるんやで。

そして文献を読むと

Nsaidsを一錠飲んだ時から潰瘍のリスクが高まるということが書いてあります。

めちゃくちゃ怖いですねえ。

 

ぞっとしますねえ。

 

Nsaidsを1錠飲んだら潰瘍のリスクがあるんやで。たった1錠でもやで。

ちなみに余談ですが、

病院にかかったらわかるのですが、ロキソニンを処方された時に一緒にムコスタという薬を処方されたことがありませんか?

ガンコちゃん

いっつも一緒に胃薬処方されますよね?

べんぴ先生

多分かなりの割合で処方されると思うんや。そしてムコスタには潰瘍を予防するのに十分な効果がないことがわかってるんや。これは医者も知らん人が多いんや。

ガンコちゃん

意味ないんかい!何で処方するんや〜

ムコスタは潰瘍を予防できへんのやで。

本当に予防したいなら、ガスターという薬を普段より多めに使ったり、タケプロンとかネキシウムと呼ばれるPPI(プロトンポンプインヒビター)という薬を使わないといけません。

 

潰瘍に関して最後に言っておかなくていけないことがあります。

潰瘍ができるのは胃だけではありません。十二指腸にもできますし、小腸にもできます。

消化管のいろ〜んな場所に潰瘍ができるんですね。

そしていっぱいできることが多いです。

特に小腸にできると検査が大変になったり、探し出すことが難しくなるので、治療が難渋してしまうことが多いんですね。

顕微鏡的腸炎

顕微鏡的腸炎、覚えていらっしゃいますか?

前回解説したのですが、顕微鏡的腸炎をもっとも引き起こす薬は胃薬なのでした。

具体的にはランソプラゾール・タケプロンという薬です。(2つとも同じ薬で名前が違うだけです。)

そして実はNsaidsも顕微鏡的腸炎を引き起こしてしまうことがあるんですね。

ずっと下痢が続く原因がNsaidsだったなんてことがよくあるわけです。

 

顕微鏡的腸炎については以下の記事でまとめていますので参考にしてくださいね。

つまりですね、Nsaidsと消化管というのは非常に相性が悪いんです。

Nsaidsと消化管の相性は非常に悪いんやで。

なのでもともと胃腸が弱い人は特にNsaidsは飲まない方が良いと思います。

Nsaidsの他の副作用

べんぴ先生

ここからは聞き流してもらって結構や。

ガンコちゃん

他にも副作用があるんですか?

べんぴ先生

たくさんあるよ。しかも結構な頻度で起こるんや。まずは箇条書きにしてみよう。

Nsaidsの他の副作用

・急性腎不全

・肝障害

・血が止まりにくくなる

・アスピリン不耐症

ガンコちゃん

こんなにあるんですね・・・

べんぴ先生

いや、まだあるんや。でもこれくらいにしておくよ。羅列しても意味ないやろ?

ガンコちゃん

正直眠くなるだけです。

べんぴ先生

正直でよろし。

この中で覚えておいていただきたいのは、腎不全アスピリン不耐症です。

 

まずは腎不全から説明しましょう。

腎不全というのは腎臓がうまく機能しなくなってしまう病気ですね。

腎臓が働かなくなると厄介ですよ。

肝臓と並んで腎臓という臓器は本当に大事な役割を担っています。

 

腎臓が働かなくなると尿が作れなくなるんですね。

そうすると体の中の悪い物質を体の外に出せないわけです。

 

健康でいられるわけがないですよね?

 

腎不全だけはどうしても避けたい副作用です。

腎不全だけは避けたいというのが医者の本音やで。

そのためもともと腎臓の機能が少し悪い人や高齢者にNsaidsは使わない方が良いのです。

特に高齢者には注意が必要です。

そもそもご高齢の方は飲んでいる薬が多いですし代謝も悪いので、そこにロキソニンなどのNsaidsを追加することで副作用が起こりやすくなるんですね。

 

怖い怖い。

 

もう一つはアスピリン喘息です。

アスピリン喘息はアスピリンという薬を飲むと喘息発作が起こることからネーミングされました。

アスピリンが体に合わない人がいるということです。

 

ただ、Nsaids全般でも喘息が起こることが知られています。

なので名前をアスピリン喘息からNsaids喘息に変えても良いかもしれませんね。

 

これはアレルギーと思われがちなのですが、ロイコトリエンと呼ばれる物質が異常に増えることで起こるとされています。

 

ガンコちゃん

でも先生、喘息は小さな子供がなる病気ですよね?大人になっても喘息になったことがない私は大丈夫ですよねえ?

べんぴ先生

それがそんなことはないんや。アスピリン喘息は大人になってから発症することが多いんや。

ガンコちゃん

ひーっ!!

アスピリン喘息は大人になってから発症することが多いんやで。

まとめ

Nsaidsにはいろんな副作用があることがご理解いただけましたか?

ロキソニンやイブなど、薬局で売ってるがゆえに軽い薬と思い込み、いろんな副作用が出ているのを僕らは目の当たりにしています。

本当に飲むときは注意してくださいね。

特に胃腸が弱いとか腎臓が悪いとか、ご高齢であるなどリスクがある方は、できる限りNsaidsを使わないことをお勧めします。

 

最後に。

ロキソニンなどの薬局で買うことができる薬のことをOTCと言います。

OTCはOver The Counter:オーバー・ザ・カウンターの略称なのですが、これからの医療事情を考えるとOTCの薬が増えていくと僕は思います。

ガンコちゃん

OTCが増えることはいいことなんじゃないんですか?

べんぴ先生

確かに良い面もある。病院にかからなくても欲しい薬をゲットできるからね。

ガンコちゃん

でも悪い面もあると。

べんぴ先生

そうや。誰もが気軽に薬を飲むことができる。医療知識が乏しいまま飲んでしまうことが問題や。

例えばみぞおちが痛くて胃薬を薬局で買うとします。

そもそもみぞおちの痛みが胃の痛みかどうかわかりませんよね?病院に受診して医者に診てもらえばある程度診断はできるはずです。

でも病院にかからずに、診断が間違えていたらどうでしょう。

例えば膵臓癌だったら?

 

その胃薬が仮に効果を発揮してしまってみぞおちの痛みが治ってしまったとしましょう。

その患者さんは病院に受診するタイミングを逃してしまうことになります。

癌の発見が遅れればアウトです。

 

それだけでなく薬を飲むことで副作用が出る可能性までありますよね?

 

他にも薬を飲んでいたらさらに副作用のリスクも高まります。

 

OTCの薬が増えることが必ずしも良いこととは限らないわけです。

ガンコちゃん

医療って難しいなあ。

 

まあおそらく今後はアプリがもっと発達してきて、一般の方向けの健康アプリによってそれらのミスは減っていくものとは思いますが。

 

 

話が脱線しました。

 

とにかく今のところはNsaidsは慎重に使用しましょう。

これが今日の結論です。

お疲れ様でした。

ABOUT ME
大北 宗由
大北 宗由
現役の消化器内科医師です。現在愛知国際病院で勤務しております。 便秘・下痢に関する正しい知識を広めるために日々ブログを書いています。 日本消化器病学会専門医・日本総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医