ロキソニンやボルタレンは下痢や潰瘍を引き起こす怖い薬なんやで。
みなさんこんにちは。
べんぴ先生です。
今日はロキソニンやボルタレンという薬の副作用についてご説明したいと思います。
お付き合いくださいね。
ロキソニンやボルタレンってどんな薬?
ロキソニンやボルタレンはNsaidsという薬に分類されるんやで。
Nsaidsという名前は覚える必要はないですが、ロキソニンやボルタレンという薬が同じ系統の薬であるということは覚えてください。
ちなみにNsaidsという薬は市販薬ではロキソニンなどの他に以下のような薬があります。
イブ
ノーシン
セデス・ハイ
バファリン
などなど聞いたことのあるものが多いのではないでしょうか?
みんなNsaidsなめすぎなんやで。
もちろん鎮痛効果に関してはとても優れた良い薬です。
使い方によっては非常に頼りになる薬なのですが、一歩使い方を間違えるとえらいことになります。
実際僕自身、怖い目にあったことがたくさんあります。
今日はNsaidsの副作用について簡単に説明したいと思います。
Nsaidsがお腹に及ぼす影響
まずはお腹に及ぼす影響について一緒に考えて行きましょう。
・潰瘍
・顕微鏡的腸炎
潰瘍

これは胃の内視鏡写真です。
つまり胃カメラで撮影した胃の中の写真です。
白くて丸いものが見えますね?
これが胃潰瘍です。
2つの胃潰瘍が向かい合ってできています。
この方は胃カメラを行う2週間前から腰痛に対してロキソニンの内服を始めました。
突然血を吐かれたので、胃カメラを行うことになったのです。
この方は病歴からロキソニンによる潰瘍と診断しました。(後日組織を採取しましたが、癌細胞はありませんでした。)
ロキソニンを中止して胃薬の内服を開始したところ徐々に症状は治り、3ヶ月後に行った胃カメラではしっかりと治っていることが確認できました。
ロキソニンやボルタレンなどのNsaidsを内服することでできてしまう潰瘍を、僕らはNsaids潰瘍と呼びます。
これが今日の最重要単語です。
Nsaids潰瘍という言葉は覚えなくてもええけど、ロキソニンやボルタレンを飲むと潰瘍ができるリスクがあるということは覚えておいて欲しいな。
ちなみに座薬や貼り薬であってもNsaidsの副作用は起こりえます。
特に座薬は注意が必要ですね。
口から飲まなくても副作用は起こるんやで。
そして文献を読むと
Nsaidsを一錠飲んだ時から潰瘍のリスクが高まるということが書いてあります。
めちゃくちゃ怖いですねえ。
ぞっとしますねえ。
Nsaidsを1錠飲んだら潰瘍のリスクがあるんやで。たった1錠でもやで。
ちなみに余談ですが、
病院にかかったらわかるのですが、ロキソニンを処方された時に一緒にムコスタという薬を処方されたことがありませんか?
ムコスタは潰瘍を予防できへんのやで。
本当に予防したいなら、ガスターという薬を普段より多めに使ったり、タケプロンとかネキシウムと呼ばれるPPI(プロトンポンプインヒビター)という薬を使わないといけません。
潰瘍に関して最後に言っておかなくていけないことがあります。
潰瘍ができるのは胃だけではありません。十二指腸にもできますし、小腸にもできます。
消化管のいろ〜んな場所に潰瘍ができるんですね。
そしていっぱいできることが多いです。
特に小腸にできると検査が大変になったり、探し出すことが難しくなるので、治療が難渋してしまうことが多いんですね。
顕微鏡的腸炎
顕微鏡的腸炎、覚えていらっしゃいますか?
前回解説したのですが、顕微鏡的腸炎をもっとも引き起こす薬は胃薬なのでした。
具体的にはランソプラゾール・タケプロンという薬です。(2つとも同じ薬で名前が違うだけです。)
そして実はNsaidsも顕微鏡的腸炎を引き起こしてしまうことがあるんですね。
ずっと下痢が続く原因がNsaidsだったなんてことがよくあるわけです。
顕微鏡的腸炎については以下の記事でまとめていますので参考にしてくださいね。
つまりですね、Nsaidsと消化管というのは非常に相性が悪いんです。
Nsaidsと消化管の相性は非常に悪いんやで。
なのでもともと胃腸が弱い人は特にNsaidsは飲まない方が良いと思います。
Nsaidsの他の副作用
・急性腎不全
・肝障害
・血が止まりにくくなる
・アスピリン不耐症
この中で覚えておいていただきたいのは、腎不全とアスピリン不耐症です。
まずは腎不全から説明しましょう。
腎不全というのは腎臓がうまく機能しなくなってしまう病気ですね。
腎臓が働かなくなると厄介ですよ。
肝臓と並んで腎臓という臓器は本当に大事な役割を担っています。
腎臓が働かなくなると尿が作れなくなるんですね。
そうすると体の中の悪い物質を体の外に出せないわけです。
健康でいられるわけがないですよね?
腎不全だけはどうしても避けたい副作用です。
腎不全だけは避けたいというのが医者の本音やで。
そのためもともと腎臓の機能が少し悪い人や高齢者にNsaidsは使わない方が良いのです。
特に高齢者には注意が必要です。
そもそもご高齢の方は飲んでいる薬が多いですし代謝も悪いので、そこにロキソニンなどのNsaidsを追加することで副作用が起こりやすくなるんですね。
怖い怖い。
もう一つはアスピリン喘息です。
アスピリン喘息はアスピリンという薬を飲むと喘息発作が起こることからネーミングされました。
アスピリンが体に合わない人がいるということです。
ただ、Nsaids全般でも喘息が起こることが知られています。
なので名前をアスピリン喘息からNsaids喘息に変えても良いかもしれませんね。
これはアレルギーと思われがちなのですが、ロイコトリエンと呼ばれる物質が異常に増えることで起こるとされています。
アスピリン喘息は大人になってから発症することが多いんやで。
まとめ
Nsaidsにはいろんな副作用があることがご理解いただけましたか?
ロキソニンやイブなど、薬局で売ってるがゆえに軽い薬と思い込み、いろんな副作用が出ているのを僕らは目の当たりにしています。
本当に飲むときは注意してくださいね。
特に胃腸が弱いとか腎臓が悪いとか、ご高齢であるなどリスクがある方は、できる限りNsaidsを使わないことをお勧めします。
最後に。
ロキソニンなどの薬局で買うことができる薬のことをOTCと言います。
OTCはOver The Counter:オーバー・ザ・カウンターの略称なのですが、これからの医療事情を考えるとOTCの薬が増えていくと僕は思います。
例えばみぞおちが痛くて胃薬を薬局で買うとします。
そもそもみぞおちの痛みが胃の痛みかどうかわかりませんよね?病院に受診して医者に診てもらえばある程度診断はできるはずです。
でも病院にかからずに、診断が間違えていたらどうでしょう。
例えば膵臓癌だったら?
その胃薬が仮に効果を発揮してしまってみぞおちの痛みが治ってしまったとしましょう。
その患者さんは病院に受診するタイミングを逃してしまうことになります。
癌の発見が遅れればアウトです。
それだけでなく薬を飲むことで副作用が出る可能性までありますよね?
他にも薬を飲んでいたらさらに副作用のリスクも高まります。
OTCの薬が増えることが必ずしも良いこととは限らないわけです。
まあおそらく今後はアプリがもっと発達してきて、一般の方向けの健康アプリによってそれらのミスは減っていくものとは思いますが。
話が脱線しました。
とにかく今のところはNsaidsは慎重に使用しましょう。
これが今日の結論です。
お疲れ様でした。