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胃腸が荒れる薬について解説するで!!
みなさんこんにちは。
べんぴ先生です。
今日は胃腸が荒れる薬について簡単に説明したいと思います。
ぜひお付き合いくださいね。
薬にはいろんな副作用があるんやで
有名な言葉で
「クスリはリスク」
という言葉があります。
クスリは逆から読んだらリスクですよね?
薬を飲む際には、いろいろと考えることがあります。
決して医者任せにしてはいけませんよ。
薬を処方された時には、この薬は本当に飲むに値する薬かどうかを医者と話し合い、自分でも調べるぞという姿勢が必要です。
ロキソニンについては前回お話しましたよね?
あんなに有名な薬で薬局でも手軽に入手できる薬ですら、怖い副作用がたくさんあるのです。
医学においては知っているか知らないかという知識の差が、ものすごい差を生み出しかねないんですね。
ロキソニンについては以下の記事でまとめていますので、参考にしていただけると幸いです。
薬を飲む前に確認すべきことが2つあります。
・他の薬との飲み合わせはいいか?
・薬の副作用は何か?
・いつまで続けるのか?
1つ目と2つ目は簡単ですね。
これは誰もが考えることだ思います。
今日は2つ目の薬の副作用についてお話するのですが、覚えておいて頂きたいのは3つ目です。
いつまで続けるのか?
実は薬を処方するというのはそこまで難しいことではないのです。
何か症状があれば薬を処方する。
普通のことですよね?
どんな医者でも薬の飲み合わせや副作用については調べて処方すると思いますし、薬の飲み合わせを調べるアプリだってあります。
ここでミスすることはあまりないと思うのですが、大事なのはいつまで続けるのかを決めることです。
症状が治ればすぐに止めていいのか?
症状がなくなっても10日間は飲んだほうがいいのか?(喉の溶連菌感染みたいに)
症状に関係なくずっと飲むべきなのか?(胃潰瘍予防の胃薬みたいに)
言ってみれば出口戦略ですよね。
入り口に入る時に出口を大まかにで良いので決めておくのです。
そうでないと意味もない薬をだらだら続けることになって、挙げ句の果てには副作用に気がつかずえらいことになるなんてことも多々あります。
いつまで続けるのかをあらかじめ医者と相談しておきましょう。
自分の飲んでいる薬に興味を持とう!だって自分の体のことやんか。
よくこういう患者さんがいらっしゃいます。
薬については全くわからんから全部先生にお任せします
もちろん気持ちはわかりますし、ご高齢の方で目も見えにくくなってきて「なんやようわからん」状態になるのもわかります。
それはそれで仕方がないなと思うのですが、この記事を読んでくださっている方はおそらく可能であると思います。
例えばお金をどこかの株式会社に投資したとします。
お金を入金してそれっきり
なんてことはありえないですよね?
お金ですらしっかり動向をチェックしますよね?
自分の体なら・・・
言うまでもないですね。
自分飲んでいる薬や病気に興味を持ちましょう。
自分の体を医者に丸投げしない。
これが大事です。
自分の体のことを医者に丸投げしたらあかんで。一番大切な自分の体やんか。
胃腸が荒れる薬
今日は胃腸が荒れる薬について簡単に説明したいと思います。
詳しく説明しだすと、ここで書ききることはとてもじゃないけどできないんですね。
それくらいたくさんの薬が胃腸に対して副作用を起こしえます。
というかほとんどの薬ですね。
疑うならご自身で飲んでいる薬の添付文書をみてください。
だいたい胃腸に対する副作用が載っています。
その中でも知っておくべきものだけを、まずはリストにしてみたいと思います。
①ボクリボース
②ランソプラゾール・タケプロンなどの胃薬
③ロキソニンなどの痛み止め
④ダビガトラン
⑤オルメサルタン・バルサルタン
⑥炭酸ランタン
⑦サンシシを含む漢方薬
⑧塩化カリウム
ボグリボース
これは糖尿病の薬ですね。
ベイスンという薬も同じ薬です。
そもそも糖尿病の薬は胃腸の副作用が多いことで知られています。
なので糖尿病の薬を始めてからどうも胃腸の調子がおかしいと思う方は薬を変えたりする必要があります。
それとは別にこのボグリボースという薬は腸管嚢腫様気腫症という病気を引き起こす可能性があるんですね。
これは腸の壁の中に空気が入り込んでしまって血管などにも空気が入ってしまう病気です。
腸管嚢腫様気腫症にはいろんな原因があって、その中の一つがこのボグリボースという薬なのです。
症状としては腹痛や下痢、血便などがあります。
治療はこの薬を中止することです。それで治ります。
ただ、本当に緊急手術が必要ないのかどうかを判断するのが難しいんですね。
というのも腸管嚢腫様気腫症という病気の原因に腸管壊死(腸が腐っている)があるんですね。腸が腐っていれば当然緊急手術を行い、腸を切除しないと治りません。
しかしボグリボースが本当の原因なら薬を中止するで治る。
何が言いたいかと言うと、無駄にお腹を開けられる可能性があるということです。
つまりボグリボースを飲んでいるだけで死ぬことはまずないのですが、とりあえずお腹を切って(もしくは穴を開けて)腸が腐っていないかどうか確認する可能性があるということです。
何となくもったいないですよね。
僕らも実際に臨床をやっていてこのようなCT画像を見る事があります。
結構焦りますよ。緊急手術が必要じゃないかって。
②ランソプラゾール・タケプロンなどの胃薬
これらの薬の副作用に顕微鏡的腸炎があるのは、以前説明しました通りです。
慢性的に続く下痢の原因になるんでしたね。
そして僕らが思ってるよりもこの顕微鏡的腸炎という病気はおそらく多くて、今わかっている人たちというのは氷山の一角の可能性が非常に高いです。
顕微鏡的腸炎については以下の記事でまとめていますので、参考にしてくださいね。
もちろん胃薬も大事な薬です。
この薬のおかげで胃潰瘍や十二指腸潰瘍の手術をほとんどしなくてもよくなったのですから。
ただ、何でも使い方次第ということになります。
良薬も使い方次第では悪い薬になってしまうんやで。
③ロキソニンなどの痛み止め
ロキソニンやボルタレンの怖さについては以前お話ししましたね。
まあ強い薬ですわ、本当に。
怖い怖い。
痛み止めとしては抜群の効果がありますけどね。
主には胃潰瘍・十二指腸潰瘍と顕微鏡的腸炎を引き起こします。
ロキソニンについては先ほどもご紹介しましたが、以下の記事でまとめていますので参考にしてくださいね。
痛み止めも使うべき時は使えばいいです。
無理に痛みを我慢する必要は全くないので。
ただ、漫然と何も考えずに使わない、これが大事なんです。
そして飲む時は、その怖さを理解しながら飲むんです。
④ダビガトラン
ダビガトラン(プラザキサという名前で売られています)は心房細動という心臓の不整脈の病気に対して使われる薬です。
心房細動という病気は心臓が不規則に揺れて、血栓を作ってしまう病気なんですね。
血栓ができると脳梗塞などになってしまうので、とっても注意が必要です。
血栓ができにくくするためにこのダビガトランという薬は必要なんです。
今まではワーファリンという薬オンリーでしたが、今ではダビガトランみたいに比較的新しい薬が何個か出ています。
新しいもの=良い薬ではないですよ。
もちろん良い薬もいっぱいあるのですが、当然今までの薬にはなかったような副作用が出現する可能性があります。
このダビガトランという薬は結構消化器症状が出ます。
消化不良や下痢や血便などですね。
その中でも注意すべきは、食道に潰瘍を作ってしまうことですね。
薬を飲み始めてから数日で 突然発症する水を飲んだ時や食事を食べた時の胸痛や胸焼けが典型的です。
そうなってしまったら薬を中止するのが一番安全ですね。
新しい薬がご自身に処方されたら、一度くらいは添付文書を見てみましょう。
それによってすぐに副作用に気がつくことができるので、事が大きくならない可能性が高まります。
新しい薬が処方されたら、一回くらい勉強するんやで。
⑤オルメサルタン・バルサルタン
これは高血圧に対する薬です。
オルメサルタンはオルメテックという名前で、バルサルタンはディオバンという名前で販売されています。
今もっとも使われている降圧薬の一つで、ARBというカテゴリーに分類されます。
これらの降圧薬(血圧を下げる薬)は胃腸障害、特に吸収障害を起こす事がわかっています。
つまり栄養分を吸収できないので、栄養状態が悪化して、下痢は出るは全身のムクミが出るわで、えらいことになってしまうんですね。
このARBによる胃腸障害はセリアック病という病気にそっくりと言われています。
セリアック病というのは小麦などに含まれるグルテンに関連した病気ですね。
日本では少ないとされています。
僕は経験したことはないのですが、このARBの副作用で起こる胃腸障害は結構辛い症状が出ます。
しかもいろいろわかっていない点が多い病気なんですね。
こんなにひどい症状が出て困ったことになっても、薬をやめるだけで治るんやで。
しかもたった1週間やめれば、まず症状は治ると言われています。
なんやねん
と思うかもしれませんが、実際にはこれらの症状が薬の副作用であると気がつく必要があるんですね。
先ほども言いましたが、医学は知っているか知らないかで大きく結果が変わる事があるんです。
しかも僕らはこれらの降圧薬を結構安全な薬と認識する事が多いので、なかなか気がつけないと思います。
医学は難しいですね。
⑥炭酸ランタン
炭酸ランタンは人工透析をされている方に対して使う薬です。
透析をされている方はリンという物質が体の中にたまる傾向があるんですね。
血液中のリンを下げるために使用するのが、この炭酸ランタンという薬なんですね。
この炭酸ランタン。
胃腸に潰瘍を作ったり、腸閉塞を引き起こすリスクがあります。
最悪の場合腸が破れます。
そもそも人工透析をされている方は胃腸が弱く、出血などしやすいんですね。
つまりダブルパンチです。
透析されている方はいろんな副作用が出やすいので、僕らは検査や治療する閾値をあらかじめ下げているのですが、それでも注意しすぎることはないんですね。
⑦サンシシを含む漢方薬
サンシシという成分をご存知ですか?
僕は正直、漢方薬をあまり使わないので詳しくはないのです。
ただ、このサンシシという成分には注意が必要です。
サンシシが入った漢方薬を使用し続けると、腸間膜静脈硬化症(ちょうかんまくじょうみゃくこうかしょう)という病気を引き起こす可能性があります。
これは腸の静脈が硬く石灰化してしまう病気で、大腸の粘膜も青っぽく変わってしまう慢性的な腸の虚血(血が少なくなること)が病態です。
漢方薬をやめることでいずれは元に戻るとされていますね。
ただ、体に良いとは決して言えないと思います。
漢方薬については以下の記事でまとめていますので、参考にしてくださいね。
⑧塩化カリウム
塩化カリウムが含まれている内服薬です。
下痢などの理由で血液中のカリウムの濃度が下がってしまった時に飲む薬です。
これも続けると潰瘍を引き起こすことがあるので、注意が必要なんですね。
まとめ
今日は胃腸に悪い薬の代表例について簡単に解説しました。
いつもの如く、一つ一つ覚える必要は全くありません。
もし皆さんが今使用している薬や、新しく薬を処方された時にここに該当する薬ではないかどうかを確認していただければ幸いです。
そして、新しい薬が処方されたら、一度は勉強するようにしてください。
5分で良いです。
それで充分です。
世界中で一番大切な自分の体を大事に労わってあげましょう。
今日は以上です。
お疲れ様でした。