みなさんこんにちは。
最近アミティーザに関して面白い論文がまた出てきたので、わかりやすく解説したいと思います。
ぜひお付き合いくださいね。
アミティーザの復習
・便を柔らかくする
・腸液を分泌させる
・小腸の動きをよくしてくれる
・リーキーガット症候群の治療になる可能性あり
便を柔らかくする以外にも色々な作用があるのでした。
リーキーガット症候群は欧米の食事などで小腸の粘膜が傷つき、色々な物質が小腸の粘膜の隙間から体内に入ってくることが原因で、体にとって様々な悪影響が出てしまうという病気です。
leaky gut
leakする腸。つまり悪い物質が体内に漏れる腸という意味です。
アミティーザとリキーキガットと動脈硬化
今回はアミティーザがこのリーキーガット症候群を改善することで、動脈硬化の発症をmildにすることができたという文献です。
横浜市立大学から発表されました。
以下の文献です。
アミティーザがリーキーガット症候群を改善する可能性があることは以前から言われていました。
つまり小腸粘膜が傷ついて細胞同士の隙間が広がっている。
→アミティーザがその隙間を元通りに修復する。
→悪い物質が体内に入ってきにくくなる。
→健康になる。
という流れです。
リーキーガット症候群は動脈硬化につながるということが最近わかってきました。
アミティーザはリーキーガット症候群を改善することで間接的に動脈硬化を予防する可能性があるということですね
アミティーザが間接的に動脈硬化を予防する可能性あり
動脈硬化って何やったっけ?
動脈硬化とは動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりすることで、しっかりと本来の機能を発揮してくれなくなることです。
病名ではありません。
今までは以下のものが原因ではないかと言われてきました。
高血圧
脂質異常
高血糖
そして動脈硬化が進んでくると心筋梗塞や脳梗塞など様々な病気にかかりやすくなってしまうんですね。
心筋梗塞は死んでしまうことも多々ある怖い病気ですし、脳梗塞も半身麻痺などになってしまう病気です。
人間の健康を保ってくれているのは血管と言っても大げさではないわけなんですね。
しかし、
血圧をしっかりコントロールしても
脂質をコントロールしても
血糖をしっかりコントロールしても
まだ十分なわけではないんですね。
他にも動脈硬化が進むリスクになっている要因があるんじゃないか?ということです。
それがこのリーキーガット症候群というわけです。
リーキーガット症候群によって小腸粘膜の細胞同士の間に隙間が開いてしまい、結果として腸内細菌や体にとって良くない物質が血液の中に入り込んでしまい、動脈硬化を引き起こすのではないかということです。
アミティーザは本当に動脈硬化を予防する?
この文献ではアミティーザを使ったほうが、使わなかった場合に比べて動脈硬化の伸展を予防するという結論が得られていました。
・人間ではなくマウスの結果である
・使っているアミティーザの量がかなり多い
しかしアミティーザはただ便を出すための単純な薬ではないということがわかります。
つまり色々な可能性を秘めた便秘薬ということです。
アミティーザは色々な可能性を秘めているんやで!ただの便秘薬ではないんやで。
しかしアミティーザは使いづらいのがネック・・・
アミティーザはとても良い薬です。
ただ、実際に使う際には少し注意が必要なのでした。
・妊娠していると使えない
・腎臓や肝臓が悪いと慎重に使う必要がある
・飲み始めに吐き気が出やすい
特に飲み始めに吐き気が出やすいのがネックになっています。
そのため飲み始めて2週間程度は吐き気止めと一緒に内服するのが良いとされています。
特に若い女性には吐き気が出やすいんでしたね。
妊娠の可能性があれば使えないので、若い女性には使わないほうが良いと思います。
もう一つ問題になるのは下痢ですね。
つまり効きすぎてしまうということです。
じゃあ少ない量で使えば下痢の副作用はなくなるんじゃないか?
と考えるのですが、アミティーザはカプセルなので半分に切れないんですね。
なので今まではアミティーザ1錠で下痢になる人には、アミティーザの使用を諦めて頂いていたのですが、最近半分の量のカプセル(12μg)が出ていますのでその悩みも解決されつつあります。
実際にアミティーザ12μg1錠で便秘のコントロールがうまく行っている患者様が何人かいらっしゃいます。
アミティーザは飲み始めに色々苦労することがあるけれども、一度軌道にのると非常に使いやすいというのが僕の印象です。
まとめ
アミティーザが便秘薬としてベストとは限りませんが、ただの便秘薬ではなく様々な可能性を秘めているということをご理解頂けたと思います。
ただ、便秘薬には相性というものがあるのでアミティーザが体に合う合わないというのはあるでしょう。
便秘薬の選択肢は最近増えつつありますので、アミティーザが体に合わなければ他の便秘薬も試してみるというのが正しい態度でしょう。
便秘薬については以下の記事でまとめていますので参考にしていただけると幸いです。
ちなみになのですが、今回の論文ではマウスの腸を傷つけるために欧米食を食べさせています。
食事の成分は
脂肪分21%
たんぱく質17%
炭水化物48%となっていました。
やっぱり脂質の多い欧米食は腸に悪いんですね。
今日は以上です。ではでは。